コープさっぽろは、子会社のシーズ協同不動産を通じて35・5%出資している志賀綜合食料品店(本社・室蘭市)を特別清算することを決めた。志賀が室蘭や登別で展開している4店舗のうち3店舗は、コープさっぽろが継続して運営することが決まったが、1店舗は未定。(写真はコープさっぽろ本部)
コープさっぽろは、2009年2月に経営難に陥っていた志賀綜合食料品店を支援、子会社を通じて550万円を出資するなどしていた。
志賀を巡っては、コープさっぽろとアークスが水面下で争奪戦を繰り広げていた。志賀のメインバンクは北海道銀行。道銀をメインとするアークスグループ入りが取り沙汰されたが、最終的にコープさっぽろが支援することに決まった。
しかし、昨年6月に志賀のオーナー社長が急死、コープさっぽろの室蘭地区本部長が社長に就任するなどしてテコ入れしたが、売り上げは低迷、今回特別清算に踏み切ることにした。
これに伴って志賀が展開する4店舗は7月5日に閉店するが、店舗の土地建物所有者とコープさっぽろが運営の条件面で合意した3店舗(輪西店、室蘭駅前店、イースト店)については、2~3日の休業期間中にレジや商品の入れ替えを行って再オープンする。
ただ、ハック店については、志賀が店舗施設を所有する協同組合の大口出資者だったために他の出資者と出資額や賃料について調整中で再オープンはずれ込みそう。志賀の従業員について、コープさっぽろが希望者を募り引き続き雇用を継続する考え。
店舗名は、志賀の名前を継続して使用する。コープさっぽろ関係者によると、「昨年、志賀社長の葬儀の際に大見英明コープさっぽろ理事長が弔辞で『志賀の名前を何らかの形で残す』と述べたため、再オープンする店舗は例えば『コープさっぽろ志賀輪西店』などになる」と言う。
志賀の11年2月期は売上高約50億円、当期純損失は10億4600万円。債務超過額は約8億4200万円。コープさっぽろが志賀の支援に投じた資金は6億円程度とされている。