札幌市内「ジョイ」消滅まで1ヵ月、4月末「稲穂店」(手稲区)閉店

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 札幌市内の食品スーパーの中で唯一残っていた屋号「ジョイ」の店舗が4月末で閉店する。手稲区稲穂2条6丁目の国道5号線沿いにある「ジョイ稲穂店」がそれで、かつて市内に8店舗あった「ジョイ」の灯が市内から完全に消える。IMG_5883(写真は、4月30日で閉店する「ジョイ稲穂店」)

 食品スーパー「ジョイ」は、住友石炭鉱業・赤平炭鉱の職員向け購買部門がルーツ。もともとは「ニッショウ」の屋号だったが、その後「ジョイ」を加えて多店舗化を進めた。
 1990年代は順調に店舗を増やし「ジョイ」の屋号を持つ食品スーパーは10店舗を超えたが、2002年に住友石炭鉱業は不動産事業とスーパー事業を「エスシーエム興産」として分離。さらに04年にスーパー事業は「ジョイ」として分社されて独立採算に移行した。06年には滝川市に本社を置く菱栄商事から「りょーゆー」店舗を承継、積極策を取ったが売り上げが伸ばせず、08年にマックスバリュ北海道(本社・札幌市中央区)が同社を吸収合併した。

 マックスバリュ北海道との合併時に「ジョイ」の屋号を持つ店舗は、札幌市内の8店舗を含めて滝川市や赤平市などに10数店舗あった。しかし、リニューアル時に「マックスバリュ」や「ザ・ビッグ」に屋号を転換するとともに不採算店は撤退。昨年7月末には「東月寒店」(豊平区)を閉店したため札幌市内でジョイの屋号を持つ店舗は、「稲穂店」のみになっていた。

「稲穂店」は、1992年に住友石炭鉱業時代に開店した店舗(店舗面積約326坪=1079㎡)で、今年で26年目。店舗老朽化も進んでおり不採算だったこともあって、契約満了をもって4月30日18時での閉店を決めた。
 これによって「ジョイ」の屋号を持つスーパーは札幌市内から消え、「芦別店」(芦別市)と「朝日町店」(滝川市)の2店舗を残すのみになる。

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