食品・酒類卸の国分北海道(本社・札幌市中央区)は、北海道産の品質の高い酒類を使ったオリジナルブランド「島梟(シマフクロウ)」をスタートさせる。第1弾として池田町ブドウ・ブドウ酒研究所で30年間、樽熟成されたブランデー原酒を使用した「十勝ブランデー」2品種を、2月5日から道内限定販売、4月以降に全国販売する。IMG_0816(写真は、30日に札幌パークホテルで行われた島梟ブランド発売発表会。左から国分北海道執行役員マーケティング部長・大谷武史氏、国分北海道社長・黒澤良一氏、池田町ブドウ・ブドウ酒研究所長・安井美裕氏、北海道総合政策部政策局150年事業室長・赤塚孝行氏)

 国分北海道は、国分(本社・東京都中央区)から2年前に分社化された年商1000億円規模の地域子会社。地域に密着しながら全国卸の機能を持つとともに、道内産原料を使用した製造にも踏み込んでいるのが特徴。

 今回、スタートさせる「島梟」ブランドは、北海道で生産されている酒類の中から個性的な特徴を持った酒類を選び出し、国分北海道が企画段階から共同開発するもの。「島梟」のデザインは札幌のデザイナー若林貴樹氏が担当した。

 第1弾商品は、池田町のブドウ・ブドウ酒研究所のブランデー原酒を利用した2品種。ブランデーの市場は北海道では全アルコール市場の0・1%しかなく、バーなど料飲店向けや製菓需要が大半。これまで、ブドウ・ブドウ酒研究所も独自にブランデーを販売してきたが市場が広がらず苦戦していた。

 国分北海道は、マス需要を狙うのではなく、スモール市場での満足度を高めて寡占化を狙うマーケティングに切り替えて、販路を全方位から「プロのバーテンダー向け」、「百貨店向け」、「ブランデー消費が見込めるインバウンド富裕層」、「道外観光客」に絞り込むことにした。

「島梟 十勝ブランデー1987原酒 ノンチルフィルタード シングルバレル バレルNO.2612」は、加水を行わず樽出し原酒を瓶詰したもので、シングルバレルのブランデーで冷却濾過を行わないノンチルフィルタードは世界的に稀。税別1万3000円でアルコール度60度、700ml。力強く華やかな香りで芳醇なまろやかな味が特徴。

「島梟 十勝ブランデー 北海道熟成30年」は、税別1万2000円でアルコール度数40度、700mlで、インバウンドを意識した商品になっており、日本語と英語で十勝のブランデー作りを紹介している。
 原料のブドウは北海道産キャンベルで、生食用ブドウとして知られている品種。この品種で作るワインは酸味が強くて糖度が低いためワインとしては甘みが残るが、ブランデー製造には最も適しているという。

 2品種は、まず道内で2月5日に「ノンチルフィルタード原酒」を470本、「30年熟成」を440本それぞれ限定発売する。ただ、既に製造数量を大幅に超える受注があるため、出荷調整を行う。次回の製造は、「30年熟成」が3月上旬、「ノンチルフィルタード原酒」が4月以降を予定しており、2品種の全国発売は4月以降になる。

 国分北海道は、今後、ブランデー以外のワイン、ウイスキー、日本酒で「島梟」ブランドの展開を進めていく考え。なお、「島梟」ブランドのブランデー販売に関して、シマフクロウ保護活動を推進している「北海道シマフクロウの会」に1本につき200円を寄付することにしている。



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