キリンビール北海道統括本部(札幌市中央区)は23日、千歳市のキリンビール北海道千歳工場ゲストホールで2018年の北海道地区事業方針を発表した。ビール類合計の販売数量を17年比4・5%増と「かなり強気の数字」(濱本伸一郎本部長)とした。中でも新ジャンルは道内シェアが低いため同11・6%増の販売数量を見込む。IMG_0633(写真は、会見後のフォトセッション。左から2人目がキリンビール北海道統括本部・濱本伸一郎本部長)

 17年は6月の酒税法改正によってビール価格が実質値上げ(平均1缶10円)となりビール類全体が上半期は苦戦。ビールは16年比で3・9%の減少となったが、「3%は酒税法改正による実質値上げの影響を受けて減少した」(濱本氏)。ビール類のその他の内訳は、発泡酒が同3・4%減、新ジャンルは同5・0%減。
 
 一方で、缶チューハイなどのRTD(レディ・トゥ・ドリンク)は同17・9%増と全国の8・4%増を大きく上回る伸びを示した。ビールの値上がりで価格の安いRTDに消費が流れた面が大きいが、「当社の全国ビール類売り上げの3・5%が北海道の比率だが、RTD比率は2・8%ほどでまだ市場シェア拡大の余地がある」(同)ことも要因。

 また、「零ICHI」などのノンアルコール飲料は同123・3%増でこちらも全国の57・1%増を大きく上回った。ゴルフ場や生ビール取扱店での販促を強化するなど「全国より北海道エリアが頑張った結果だ」(同)。

 18年の販売計画は、ビール類が17年比4・5%増で内訳はビールが1・0%増、発泡酒が1・2%増、新ジャンルが11・6%増。新ジャンルの増加について濱本氏は「のどごしSTRONGと本麒麟で巻き返しを図り、17年に失ったシェアを取り返す」と鼻息も荒い。また、RTDは11・0%増、ノンアルコール飲料は35・1%増で「どちらも十分行ける数字だ」(濱本氏)と語った。

 東京市場が先行しているクラフトビールについて、「北海道との相性は抜群だ」(同)として、小型多品種ディスペンサーで飲める「タップマルシェ」を料飲店に貸出し、市場を盛り上げていく。現在は道内30店舗で先行展開しているが、18年は150店舗まで利用を広げる。
 クラフトビール市場について濱本氏は、「展示会場や映画館、家具店のカフェなどこれまでビールが売れていなかったところで市場が広がっている」と話した。
 酒税法改正でビールの定義が変わり、味の違う商品が販売できるようになることに対応、「わくわくするような商品を考えている」(同)と新商品を近く発表する予定だ。



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