セコマ(本社・札幌市中央区)が、天塩郡豊富町上サロベツで建設を進めていたヨーグルト工場が完成、26日に関係者を集めた内覧会を催した。同社はグループ会社の豊富牛乳公社で牛乳・乳製品を製造、セコマグループ店舗などで販売してきたが、同公社の生乳だけを使用したヨーグルトを内製化、“豊富ブランド”のヨーグルトとしてグループ内外で販売していく。IMG_8193(写真は、豊富牛乳公社の内覧会で行われたテープカット。左から4人目がセコマ・丸谷智保社長)

 ヨーグルト工場は、豊富牛乳公社の一部門として生産を開始。立地場所は、同公社から東に約2㎞離れた豊富バイパス沿いに町が整備した工業団地の一角。約16億円投じて建築面積約450坪の工場を新設した。
 この工場では、豊富町産生乳を100%使用したプレーンヨーグルト(400g)、95%ヨーグルト(80g×3、120g)、95%飲むヨーグルト(180g)の4種類を生産。生産能力は、プレーンが1時間当たり2700個、95%ヨーグルトが2タイプ合計6000個、飲むヨーグルトは3000個。生乳使用料は年間で870t。従業員は16人。
IMG_8204(写真は、工場のヨーグルト充填工程)
IMG_8217(写真は、箱詰めライン)
 
 工場の燃料には、豊富温泉から産出される天然ガスを使用。この天然ガスは、豊富町がガス自由化に伴い小売事業者として一般家庭向けに販売しているもので、工業用に商業利用されるのは初めて。工場から約4㎞離れた豊富温泉地区から市街地まで敷設されている導管から供給を受ける。バックアップ用には重油も用意しているが、日常生産は天然ガス100%で対応する。
 20170926_113410(写真は、豊富温泉地区で産出される天然ガスの採取プラント)

 内覧会で挨拶に立ったセコマの丸谷智保社長は、「1997年に豊富牛乳公社を引き受けて今年はちょうど20年。また、ヨーグルト工場はセコマグループ20番目の工場で、セコマにとって節目の年であり節目の工場だ。11月1日から本格販売するが、これまでセイコーマート店舗で年間約300万個のPB(プライベートブランド)ヨーグルトを販売しており、自社工場稼働で年間600万個を販売していく」と話した。
 
 来賓として出席した農林水産省北海道農政事務所の大坪正人所長は、「セコマグループはコンビニ業界の勝ち組の1社。セコマグループの販売力、マーケティング力で道内、本州の消費者に豊富地域の良質で新鮮な牛乳を使った高品質な乳製品を届けていただきたい。需要拡大でさらに地域の活性化に繋がっていくことを期待したい」と挨拶した。
 続いて北海道農政部の多田輝美次長が「新工場竣工によりヨーグルト生産が北海道の生乳生産の拡大と北海道ブランド強化に繋がることを期待」、豊富町の川原清巳副町長が「地球環境に優しいクリーンなエネルギーの地産地消は、食品生産として将来に向けたモデルケースとなる」とそれぞれ祝辞を述べた。

 サロベツ原野のミネラル豊富な牧草で育った乳牛から摂れる生乳だけを使用した産地ブランドのヨーグルトとして、需要が期待できそうだ。


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