日本チェーンストア協会北海道支部(支部長・出戸信成マックスバリュ北海道社長)は6日、札幌市中央区のホテル札幌ガーデンパレスで講演会と懇親会を開催した。講演会では、東京大学名誉教授で認定NPO法人ウィメンズアクションネットワーク理事長の上野千鶴子さんが『ダイバーシティはなぜ必要か?女を使えない企業に未来はない』と題して約1時間30分話した。(写真は、講演する上野千鶴子さん)
(写真は、懇親会で挨拶する出戸信成支部長)
上野さんは講演で男女雇用機会均等法が施行されて30年になることに触れ、「この法律は雇用面の男女格差ならぬ女女格差を生んだ。施行された1986年は女の2極分断元年だった」と述べ、「30年経った今、女性には働くことに関して二者択一しかなくなっている。男並みの総合職として働くか、使い捨ての労働力として働くかのどちらかしか選択できない」と話した。
性差別のツケは、商品市場の企業間競争で劣勢に立たされるとしてこんな具体例を挙げた。「消費市場は今や多様性に満ちている。スーパーなどがこうしたニーズを汲み取って品揃えするにはスーパー自ら多様な人材を揃えないと生き残れない」。そのダイバーシティ経営の前提として上野さんは「女性を使えなければダイバーシティ経営などやれる訳がない」と喝破。「女性が働きやすい職場は男性や高齢者、外国人などにとっても働きやすい職場になる」と結論付けた。
続いて懇親会に移り、出戸支部長が「協会加盟社の昨年度の総販売額は、2年ぶりのマイナスになった。地域社会のインフラを担っている流通業界は知恵を出して消費改善に向けた施策を講じていかなければいけない」と挨拶した。
来賓として出席した北海道経済産業局の児嶋秀平局長は、「チェーンストアは、北海道経済の最大の強みである食の重要な担い手であり、地域経済や道民生活の基盤を支える存在。道経産局では道民の個人消費喚起するためのプレミアムフライデーを推進している。定着するように皆さんのご協力お願いしたい」と述べた。
続いて、日本チェーンストア協会の井上淳専務理事が乾杯の音頭を取ったのち懇談に入った。講演会、懇親会とも約100人が出席した。
(写真は、来賓の挨拶をする児嶋秀平北海道経済産業局長)
(乾杯の発声をする井上淳日本チェーンストア協会専務理事)