日本チェーンストア協会北海道支部(支部長・青栁英樹イオン北海道社長)は2023年7月26日、札幌市中央区のホテル札幌ガーデンパレスで講演会・懇親会を開催した。コロナ禍を経て3年半ぶりのリアル開催となり、会員やメーカーなどの賛助会員約90人が参加した。(写真は、日本チェーンストア協会北海道支部の講演会)

 講演会では、日本経済新聞社の大岩佐和子編集委員が「最新の消費動向、今後の景気展望」と題して、約90分間講演した。大岩氏は、「台湾、香港の訪日観光客のうち、リピーターの人気が最も高いのは北海道。インバウンド消費というと百貨店のイメージだが、台湾、香港の観光客はドラッグストア、スーパー、コンビニ、ショッピングモール、ディスカウントストアでの消費が多い。インバウンドが知りたがっているのは、各店舗で開催されるフェアのスケジュール。それを知らせることができれば、これら業態にはまだまだ勝機があるだろう」と述べた。

 また、9月に札幌で行われるアドベンチャートラベル・ワールドサミットについて、「一般的なインバウンド消費額は22万円だが、アドベンチャートラベルを楽しむ層は、37万円から55万円。サミットを機会に北海道向けのツアーが造成されれぱ、北海道の追い風になる」と話した。

(写真は、挨拶する日本チェーンストア協会北海道支部・青栁英樹支部長)

 その後の懇親会では、青栁支部長が最初に登壇、「流通業は地域社会のインフラの役割をしっかりと果たすことが大切。足元の消費環境を見ると、特売日にお客さまが集中するなど、日を追うごとに消費傾向は変化している。コロナ後の経済は回り始めており、皆さま方と一緒になって知恵を出し合いながら、消費改善に向けた対策を進めていきたい」と挨拶した。

(写真は、来賓挨拶をする北海道経済産業局・岩永正嗣局長)

 続いて、北海道経済産業局の岩永正嗣局長が来賓として挨拶、「イオン北海道が中心になって物流研究会が立ち上がり、共同配送など持続可能な物流の仕組みを検討されているとうかがっている。経産省も荷主企業を含む物流関係者が、企業の枠組みを超えて課題を共有し、解決に向けた取り組みを行うことを促進している。その一環として全国で初めて、北海道地域でフィジカルインターネット懇談会を7月28日に札幌で開催する。今後も、サプライチェーン全体で機運を高めていく施策をやっていきたい」と話した。

(写真は、乾杯の音頭をとる日本チェーンストア協会・井上淳副会長)
 
 乾杯の音頭をとった日本チェーンストア協会の井上淳副会長は、「物流問題や人口減少下での経済活動など、サプライチェーン全体での協力、連携が欠かせなくなっている。日本チェーンストア協会は、皆さま方と一緒にこうした課題に取り組んでいきたい」と話した。


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