北海道のキリングループは23日、2017年の事業方針会見を千歳市のキリンビール北海道千歳工場で開いた。ビール類は16年に前年比7%減と大きく落ち込んだが、17年は1%増を計画。ワインは16年が同6%増だったが、17年は1%増と減速を見込む。IMG_1613(写真は、キリングループ北海道地区の事業方針会見後のフォトセッション。中央か濱本伸一郎・キリンビール北海道統括本部長、右端が森口敏也・メルシャン北日本支社長)

「16年のビール類の道内販売は苦戦した。特に第3のビール『のどごし』が苦戦、トータルでも苦戦続きの1年だった」と濱本伸一郎・キリンビール北海道統括本部長は「苦戦」という言葉を繰り返した。
 ビール類の内訳は、ビールが前年比3%減、発泡酒は同7%減、第3のビールは同11%減だった。唯一伸びたのは、千歳工場限定醸造の一番搾り「北海道づくり」。パイが小さかったこともあるが同26%の増加になった。
 
 17年の見通しは、ビールが4%増、発泡酒は1%減、第3のビールは1%増。ビール類全体では1%増を計画している。濱本本部長は、「一番搾りに注力する。中でも『北海道づくり』は今まで以上に力を入れたい」と話す。ビールの4%成長はチャレンジングな数字。これについて、「10年後のビール酒税一本化を睨むと、今からビールに力を込めていくことは間違いない路線」としている。
 16年に大きく落ち込んだ第3のビールについては、『のどごし』のリニューアルや2月には季節限定品を発売、今後ラインナップを増やしてテコ入れを図ることにしている。

 ワインは、16年の道内全体の市場が前年比6%減と8年連続で伸びてきたパイが踊り場になった。その中で、キリングループのワイン部門であるメルシャン北日本支社は、「市場が縮む中で当社は6%成長を実現した。その中でも特に輸入ワインがプラス12%と大きく貢献した」(森口敏也支社長)。
 
 道内のワイン全体の市場が踊り場になったのは、月1回程度ワインを飲むミドルユーザーやライトユーザーの飲用頻度が一段落してきたことが要因とみられている。こうしたミドル層、ライト層の飲用頻度を上げることが各社の戦略になっているが、メルシャンでは、『ワールドセレクション』を2月14日から投入し、掘り起こしに期待をかける。

「新しいユーザーはラベルを見ても英語やフランス語の表記なので良く分からない。分かり易さを訴求するため、海外の産地で日本人に合うブドウでワインを作り、それを輸入して藤沢工場(神奈川県藤沢市)でボトリングするのが『ワールドセレクション』。ラベルの品種や産地はカナカナ表記なので誰にでも分かり易いようにする」(森口支社長)

 メルシャン北日本支社では、17年の道内ワイン市場で16年比1%の成長を目標に掲げた。内訳は、国内製造ワインはプラスマスナス0%、『おいしい酸化防止剤無添加ワイン』やメルシャン北日本支社限定で2月から発売する『地ワイン新鶴シャルドネ』など日本ワインは7%増、チリワインの『カッシェロ・デル・ディアブロ』、『プードゥー』など輸入ワインは3%増を予想している。
※2017年1月25日記事一部訂正


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