セコマ・「テディベア」輸入に故赤尾会長の商人魂

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 セコマ(本社・札幌市中央区)がクリスマス期間の前後に合わせて始めたテディベアのキャンペーン。愛らしいクマのぬいぐるみが対象となっているだけに人気を集めているが、このテディベアをイギリスから輸入しようと発案したのが8月に亡くなった赤尾昭彦会長だった。クリスマスくま-2修3(写真は、セコマがイギリスから10万体輸入したテディベアのうちの1体)

 イギリスのEU離脱。大方の予想を覆した結果が出たのは6月23日だった。病床にいた赤尾会長はその報道をテレビで観て、即座に丸谷智保社長に電話をする。『丸谷さん、ポンドが暴落したらイギリスからテディベアを輸入して年末商戦に賭けよう』。
 予想通りポンドは暴落。テディベア輸入に向けて丸谷社長は社内で指示を出したが、赤尾会長が口にしたのはテディベア100万体だった。さすがに100万体は多すぎるとして結局、10万体が輸入された。

 こうした輸入された約30㎝のテディベアは、11月28日から2017年1月8日までのクリスマスを挟んだ期間にキャンペーン用として販売されている。セイコーマート店舗で買い物をすると500円(税込)ごとに1枚のクーポンシールが貰え(一部商品は対象外)、それを20枚集めるとテディベアが1000円(税込)で買えるというもの。また、1体2000円(税込)でも販売している。

 ポンド急落を商売に生かす象徴事例としてテディベア輸入を発案した赤尾会長だったが、その2ヵ月後、8月19日76歳で死去した。テディベア輸入は最後の大仕事の一つだったかも知れない。
 なお、テディベア売上金の一部は、17年2月19日から1週間開催される冬季アジア札幌大会の運営に寄付される。

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