15日に増改築してリニューアルオープンした新千歳空港ターミナルビル。空港で『過ごす、楽しむ、発見する』をキーワードに新しい価値の創造を進める取り組みが3Dシアターや温浴施設、ミニテーマパークの誘致に繋がったが、中でも「シュタイフ・ネイチャーワールド」は、テディベアを生んだドイツ・シュタイフ社のヒストリーを含め、動物のぬいぐるみを通じて人とのふれあいや自然の大切さを訴えるミュージアムとして注目される。(写真は、展示されている1550万円で落札された初期のテディベア)
 
「ネイチャーワールド」は、国内線と国際線を結ぶ3階連絡通路の中央部分を占める。円形のエントランスにはラクダやライオン、白クマなどのぬいぐるみが設置され、手で触れることもできる。
 
 内部には20人程度をひとつのグループにして見学できるように配慮されており、最初はシュタイフ社を作ったマルガレーテ・シュタイフの生家をイメージした小部屋を備えた映像ホール。1870年代に創立したシュタイフ社のヒストリーを5分ほどの映像で紹介、片手と両足が不自由だったマルガレーテが始めて作った象のぬいぐるみの針刺しが喜ばれたこと、テディベアの原型が生まれた背景などが分かりやすく映像化している。
 
 次のコーナーはドイツの古い町並みや原野、山小屋などをジオラマにし、電池を使ったモーターで動くぬいぐるみ約200体を配置、家族の姿や自然と生きる様子がぬいぐるみを通じて表現されている。
 
 続いて、実物大の大型動物のぬいぐるみがあるコーナーでは実際に象に乗ることもできる。牛や馬も用意されており、ふんわりとした手触りは、本物の動物たちと触れ合っているような感覚。その他にも、絶滅しそうな仲間たちをテーマにしたコーナー、1997年に1550万円という史上最高額で落札されたテディベアの原型のようなぬいぐるみも展示されている。
 
「シュタイフ・ネイチャーワールド」は、シュタイフ社にとってドイツ国外で初めてのテーマパークで、同社のヒストリーとスピリットが短い時間でも伝わってくる。ぬいぐるみの総展示数は約2000体。「かわいい」だけではない体験ができそうだ。


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