コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は24日、南空知地区に配食専用車を導入、岩見沢市の宅配事業本部南空知センター(大和3条9丁目)で出発式を行った。これまでは配食担当者の自家用車で対応していたが、専用車を走らせることで積み込む配食数が増えるほか、統一したカラーリングにエゾリスのキャラクターが描かれた車体のためアピール度も高まる。IMG_9207(写真は、岩見沢市内の宅配事業本部南空知センターで行われた出発式。左から宅配本部南空知センター長・小林広氏、専務理事・中島則裕氏、宅配事業本部社会給食部部長・藤岡義幸氏)

 コープさっぽろは、2010年10月から主に高齢者向けに夕食の配食サービスを始めている。毎週3回以上利用することが条件になっているが、決まった曜日の決まった時間に届けるため、配達時に高齢者の安否確認、認知症の早期発見などが可能で、コープさっぽろは見守り活動を兼ねた社会給食事業と位置付けている。
 配食担当者は、普通救命講習や認知症サポーター養成講習を受講、届け先との対話を通じて異変を察知する気づきの能力を高めている。
 
 1回の食事は600円程度で、現在の利用者は全道で約6400人。そのうちの半数は65歳以上の高齢者でさらにその半数が独居世帯。昨年度、配食時に届け先の異変を自治体などに通報した件数は約150件。そのうち1割は手当てが必要な状態だった。
 
 配食には全道で約180台の車を使っているが、これまでは担当者の自家用車持ち込みで対応していた。今年7月から専用車両の導入を始め、現在は札幌市内の5拠点、59台が稼働している。今回、札幌以外で初となる配食専用車をまず南空知地区で導入した。導入したのは7台で容量50ℓの保冷容器3ケースが積み込め、1度に120食分を運ぶことができる。また、フレコンの専用保冷ケースのため積載時間などがトータル30分短縮でき、配達エリア拡大にも取り組めるようになる。配食は、札幌市の白石配食工場からセンターまで運ぶ。
 
 南空知地区の配食件数は現在1日約200人。岩見沢市内の幼稚園全5園にも配食している。コープさっぽろ宅配事業本部社会給食部の藤岡義幸部長は、「岩見沢市をはじめ近隣自治体での配食利用者は増えている。当面250人を目標にしており、高齢者見守りの輪を広げていきたい」と話していた。
 配食専用車は、認知症サポーターになると貰えるオレンジリングと同じ色でエゾリスのマスコットが描かれている。エゾリスの名前は来春公募する予定。車両はリースで対応している。なお、10月下旬に江別市内に7台、11月7日には小樽市内に7台を導入する。
IMG_9228(写真は、配食の一例)


3人の方がこの記事に「いいんでない!」と言っています。