黄色や朱色が真っ盛りの札幌・大通公園。街はすっかり晩秋に近い装いに変わった。そんな実りの秋を体験できる風物詩と言えば今や「さっぽろオータムフェスト」が筆頭かもしれないが、秋が凝縮しているイベントとして市民に親しまれているのが、札幌三越で開催される「ホクレン大収穫祭」。今年も18日から1週間の日程で始まった。(写真は、ホクレン大収穫祭45周年記念感謝弁当)
夏の終わりに北海道を襲った台風や豪雨の影響で、今年は農産物の被害が広がった。一時は、開催さえ危ぶまれたこの収穫祭だが、生産者やJAの努力もあって開催にこぎ着けた。
札幌冬季オリンピックがあった1972年に始まり、毎年この時期に三越の最上階にある催事場で催されるようになって今年で45回目を迎える。
午前10時の開店時刻になると、館内のエレベーター、エスカレーターが一斉に動き出す。目指すのは10階。次から次に途切れることなく人を運び、会場は身動きすらままならないほどの密度に膨れ上がる。
会場には農畜産物や魚貝類、加工品など900種類が並べられ、お目当ての食材を求める行列は階段の下まで伸びる。毎年繰り広げられる光景が、今年もいつものように繰り返された。
45周年特別企画として999円で売り出されたのが「感謝弁当」。9つに仕切られたスペースには、玉ねぎや舞茸、ゆり根、ほたてなどの食材が盛り付けされている。期間中1日30食限定で1人1折しか買えないため、初日はわずか5分で完売した。
会期は24日の月曜日まで、7日間で約20万人の来場を見込む。北海道の実りをコンパクトに集結したこの収穫祭、今年は災害が重なったため、いつもの時期にいつものように開催されることで来場者も逆に勇気づけられているようだ。