食品スーパーのホクノー(本社・札幌市厚別区)は、レシピ開発のグローカル・アイ(同・大阪市西区)と連携して健康食レシピを利用した食事を提供する食堂運営に乗り出す。また、このレシピを利用した弁当を自社スーパーで販売するほか近隣に住む高齢者向け配食事業も視野に入れる。IMG_1778(写真は、ホクノー中央店や食堂があるもみじ台ショッピングセンター)

 グローカル・アイは、各地の独立行政法人国立病院機構と協力して栄養バランスや減塩に配慮した健康レシピを開発、そのレシピを通じた調理支援を事業にしている。同社社長の田﨑和弘氏はソムリエの田﨑真也氏の従兄弟ということもあって、各地の国立病院機構と田﨑真也氏が共同開発した健康レシピに基づいた食事も入院患者に提供されている。

 ホクノーは、札幌市厚別区で食品スーパー6店舗を展開しており、旗艦店である中央店は、市営住宅もみじ台団地の中核施設、もみじ台ショッピングセンター(SC)の核店舗。また同社は同SC内で食堂も運営している。
 市営もみじ台団地は、1961年から造成が始まり86年ころまで開発が進んだ。人口は最盛期に2万5000人を超えていたが、現在は約1万6000人で1万人近く減少。そのうえ65歳以上の高齢者の割合は40%に近い。
 
 同団地は、札幌市内でも高齢化率が高い地域で今後の人口増も望めないため食品スーパーにとっては死活問題。このため、買い物に来る高齢者の健康維持に協力することが事業継続に不可欠として、「健康・おいしさ」をキーワードに事業再構築に乗り出すことにした。
 
 まず第一弾として、秋から自社運営している食堂のメニューにグローカル・アイの健康レシピに応じた美味しくて栄養バランスのある食事を加える。食材は地域によって違うため、グローカル・アイと国立病院機構北海道医療センター(札幌市西区)との健康レシピ開発にも協力、地域に応じたメニューも加えていく。価格は500円程度に抑える。
 また、来年以降には、このレシピを利用した店舗向けの弁当製造・販売も始め、数年後には近隣の病院等と連携して高齢者向け運動教室の展開や単身高齢者の安否確認サービスなどを兼ねた配食事業も検討している。


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