ツルハが既存店前年割れ 5月度売上げから見える“消費変調”?

流通

 道内に本社を置くツルハホールディングス(HD、本社・札幌市東区)とサッポロドラッグストアー(同・同市北区)の5月度(4月16日~5月15日)の月次売上げが明らかになった。ツルハHDは、既存店売上げが前年度月比0・2%減と2015年4月度以来、13ヵ月ぶりに前年当月を割った。消費変調の兆しなのかどうか。IMG_4514(ツルハの出店攻勢は続く。写真は6月下旬にオープンする札幌市東区のツルハ東苗穂7条店)

 5月度のツルハHDの全店売上げは、前年同月比5・9%増、既存店は0・2%減。5月の店舗増加数は7店舗で、全店売上げは二ケタ増が期待されたが新店攻勢の割には低い伸びだった。既存店の前年割れは、15年4月度の増税反動減以来。
 客数も低迷している。全店は同3・1%増、既存店は2・4%のマイナス。既存店客数のマイナスも15年4月度以来13ヵ月ぶり。客単価は、全店は同2・7%増、既存店は同2・3%増と前年を超えているが、これは価格アップに伴うものとみられる。
 ツルハは、5月が16年5月期の最終月だが、通期の売上げは、全店ベースが15年5月期比10・5%増、既存店は同4・3%増になっている。
 
 一方、サッポロドラッグストアーの5月度売上げは、全店で同19・7%増、既存店は同7・1%増で好調に推移した。5月の新店は、沖縄県と中標津町の2店舗。全店ベースの売上げが前年同月比で二ケタ増を続けており、5月度で13ヵ月連続になった。
 
 ツルハHDは道内だけでなく全国にドラッグストアを展開、サッポロドラッグストアーは沖縄を除きすべて道内店舗。ドラッグストアの消費トレンドに大きな差はないと思われるが、5月の2社の月次情報には差が顕著に出ている。ツルハHDの既存店割れは、一過性のものか消費減退の兆しなのか、「0・2%」は誤差の範囲なのかどうか、その答えは6月度に明らかになりそうだ。

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