札幌圏の流通大型店を巡る噂が流れている。ひとつはコストコ2号店の出店、もうひとつはイオンスーパーセンターの閉鎖だ。攻めと守りが交錯する流通業界はますます混迷の度合いを強めている。
コストコホールセールは、2008年1月に「札幌倉庫店」(清田区美しが丘)をオープン、札幌市内は1店舗で営業している。
コストコは米国生まれの会員制の大型店で、1999年に福岡県糟屋郡久山町に1号店を出店、現在は札幌店を含めて全国9店舗。法人は3675円、個人は4200円の年会費を払えば、コストコ店舗で商品を買える。
会員制のために会員の購買傾向や居住地などのデータが蓄積されており、札幌市内の西方面に新たな店舗を設けても採算が見込めると判断したようで、実際に手稲区富丘周辺で土地を探している。
最近まで具体的な出店場所も明らかにされていた。その場所は、手稲区富丘3条の国道5号線沿いにあるコナミスポーツクラブ手稲の道路を挟んだ向かい側。
業界事情通は、「もともと中古車センターがあった土地のようで、パチンコの新和グループの所有地と聞いている。しかし、面積が1万坪ないのでコストコはこの立地を断念したようだ」と言う。
コストコは、この立地での出店は中止したものの、札幌の西方面への進出は規定路線と見られており、近いうちに新しい進出先が明らかになる可能性が高い。
一方、閉鎖の噂が流れているのはイオンスーパーセンター石狩緑苑台店。スーパーセンターは、平屋の巨大な店舗面積の中にホームセンターと食品スーパーなどを一体的に配置した店舗。イオン北海道が展開するスーパーセンターは、三笠と札幌・手稲山口と石狩緑苑台の3店がある。スーパーセンター3店はいずれも不振とされており、業界の見方ではスーパーセンターの閉鎖は時間の問題とされていた。
現時点では、石狩緑苑台の閉鎖が決まっている訳ではないが、既に物流センターへの転換話も業界内ではまことしやかに流れている。
(写真は、イオンスーパーセンター石狩緑苑台店)