コープさっぽろ(本部・札幌市中央区)は8日、メーカーや卸など取引先で作る生協会(会長・平公夫ナシオ社長)の会員約1300人を集めた「2016年生協会新春学習会」を札幌市白石区の札幌コンベンションセンターで開催した。話題提供で登壇した大見英明理事長(57)は、年末商戦に触れ、店舗と宅配で前年同月比105・9%になったと報告、「年末商戦ひと安心」と述べた。(写真は、生協会新春学習会で報告する大見英明理事長)
コープさっぽろは、14年度の後半からトライアルカンパニー(本社・福岡市東区)のDS(ディスカウント)新店7店舗の影響を各地で受け、「14年度はこのままDSに市場を奪われるのではないかと年末に向けて危機感を募らせた1年だった」(大見理事長)
15年3月21日から始まったコープさっぽろの2015年度は、総額表示から本体価格の表示に切り替えたり、これまでの成功体験を否定、あらためて組合員に向き合うことを第一に全国の小売業のよいところを学び店舗の内容を変えていった。
こうした戦略再構築によって、15年度の上期(15年9月20日まで)は、既存店前年比104・5%で推移。その流れで迎えたのが15年の年末商戦だった。
大見理事長は、「12月21日から31日までの11日間の店舗売上げは、昨年より日曜日が1回少なかったが、既存店実績は前年比98%までいった。年明けの累計は既に前年を超えてきているので最終的には104%くらいで着地するのではないか」と話した。
また、宅配は月~金の5日間しか配達しないが、年内の営業日が14年より2日多かったため、クリスマス商戦と年末商戦の販促がうまく噛みあい前年比133・5%の高成長。店舗と宅配の総計で前年比105・9%となり「年末商戦ひと安心」(大見理事長)で終わった。
さらに大見理事長は、「ここ5年間くらいの道内小売業の数字は横ばいから低迷に変わっている。人口減少と高齢化の影響を間違いなく受けているが、コープさっぽろは、お盆、歳末、クリスマス、節分、ひな祭りなどハレの日に圧倒的に強い店を作ろうと努力してきた。その成果がこの年末商戦に反映したと思っている」と強気の言葉に終始した。
ちなみに12月31日の売上げは、コープさっぽろ始まって以来、過去最高になったという。また、12月28日から1月4日の1週間の売上げは、コープさっぽろが加入している共同購入組織ニチリウグループの中で118%とずば抜けて業績が良かった。ニチリウグループには平和堂やライフコーポレーションなど全国小売業16社と3生協(コープさっぽろ、コープこうべ、ユーコープ)が加盟している。
大見理事長は、「年末商戦の勢いを16年度に繋げていく。人口減少が進んでおり最終顧客にモノを届けるラストワンマイルを制する流通業が最後に生き残る。店舗の時代は終わりつつあると思っている。コープさっぽろは、新しい店を作らずスクラップ&ビルドの範囲に抑えながら、宅配事業を中心とする無店舗事業に傾注していく」と宣言していた。