フードDが11月9日に高質食品スーパー2号店、苫小牧「Vian」

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苫小牧に本部を置く食品スーパー豊月は、11月9日に高質食品スーパーの2号店を苫小牧市日新町にオープンさせる。日軽金が所有する土地建物でこれまで室蘭の志賀綜合食料品店が運営していた店舗をリニューアルして出店する。現在、急ピッチで内装や照明工事が進んでおり、苫小牧にはこれまでなかった高質を謳い文句にした食品スーパーが誕生する。新店舗への投資額は1億3000万円になる。


新店舗の名称は「フードD Vian(ビアン)」。フランス語のとても良い、素晴らしいを意味するトレビアンから取った。店舗面積は約1200㎡で年間売上高は20億円を目指す計画。
豊月はディスカウント路線で業績を伸ばしてきたが、5年ほど前から「ディスカウント+クォリティ」をコンセプトにして店舗名を「フードD食彩館」に変えると共に什器類をリニューアル、鮮度や品質を保持した高質路線にすり足で進んできた。
今年9月中旬に江別市大麻でオープンした「フードD LISTA」は、高質路線の完成形を前面に出した食品スーパー。江別市は、ディスカウントの最前線でさらに価格を下げるハードディカスカウント店が続々と誕生している。そこに、価格と共に鮮度や品質、賑わいなどデパ地下のシーンを再現した異形スーパーの登場で、価格一辺倒ではない消費者のニーズを掘り起こすことを狙ったものだ。
今回、フードDの発祥の地である苫小牧でも高質スーパー「Vian」を出店、価格だけではなく、商品や接客、買い物の楽しさといったことに価値を置く消費者の潜在ニーズに応えていく。
苫小牧にはフードD食彩館が5店舗ある。Vianの商圏内には2店舗があるが客層が違うためにそれぞれの店には殆ど影響はないだろうと豊月では見ている。
豊岡憲治社長は、「食品スーパーは多くがディスカウントになってしまったが、安さだけを求めるお客様だけではない。買い物の楽しさを味わってもらえるようなスーパーを目指したい。それこそ食品スーパーが本来追い求めなければならない路線だと思っている」と言う。
他の食品スーパー各社は、豊月の挑戦を醒めた目で見ている。吉と出るか凶と出るか、北海道の食品スーパーの今後を占う試金石でもある。
(写真は11月9日にオープンする「フードD Vian」の外観と工事が進む店舗内)

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