道内の中堅食品スーパーに連携の機運が出てきた。食品スーパー業界は、デフレによる低価格と店舗過剰で適正な利益を確保できない経営環境に陥っている。とりわけ、今年に入ってからはマックスバリュ北海道が始めた『ザ・ビッグ』は、これまでの常識を打ち破る激安価格を打ち出しているため、価格競争は一段と激しさを増している。
某中堅食品スーパーの幹部はこう言う。「私たちの業界は、低価格とポイント、クレジットの三重苦になっている。ポイントは8倍、10倍が当たり前になってきて、お客様がその日を目がけて来店するのでポイント負担が高まるばかり。クレジット決済もお客様がクレジットカードを使うことによってカードのポイントが貯まるので利用が増えている。このままではジリ貧状態を脱することはできない」
こうした環境は、中堅食品スーパーに共通しており新たな成長戦略が描ききれない深刻な状態と言っても良い。
そこで出てきたのがこうした中堅クラスでの連携。
前出の幹部が言う。「フードDやダイイチ、スーパーチェーンシガ、HGCなどが連携して何らかの共通基盤を持つことが必要な時期になっているのではないか。1社でやれることはもう限界に近い。数社が協力して次の手を考えることが食品スーパーの生き残りの鍵になるのではないか」
道内食品スーパー業界は、アークスグループ、コープさっぽろグループの2強がリードし、イオン北海道やマックスバリュ北海道のイオングループが猛追している展開だ。アークスとコープさっぽろは、低価格とポイント合戦で顧客の囲い込みを積極化させている。アークスグループは、ラルズ、福原、ふじ、道東ラルズ、道北ラルズ、道男ラルズの6社で構成され、コープさっぽろグループもコープさっぽろ、魚長、志賀綜合食料品店の3つのスーパーが共同戦線を張っている。
今から5年ほど前には、フードDやダイイチ、魚長のローカルスーパーが連携してアークスに続く第2ローカル連合の動きもあったが実現には至らなかった。当時と現在では経営環境は一段と悪化しており、今回出てきた連携の機運は実現を後押しする可能性は高い。