「今年の夏は苫小牧が熱い」――食品スーパーやホームセンター、ドラッグストアの新店ラッシュがこの夏から始まる苫小牧の流通小売界。その第一陣としてホクレン商事(本社・札幌市北区)とサッポロドラッグストアー(同・同)が17日に「苫小牧しらかば店」(同市しらかば町2丁目)をオープンさせて参戦した。周辺の他社既存店からの買い物客引きはがしを狙う。IMG_6787(写真は、ホクレンショップ・フードファーム・苫小牧しらかば店)
IMG_6786(写真は、サッポロドラッグストアー苫小牧しらかば店)

 苫小牧市は東西に長いマチ。商業集積は東へ東へと伸び続け、新興住宅街として人口増が著しいのは沼ノ端地区。こちらには、新しい商業施設として別稿で書いたマックスバリュ沼ノ端店が来週オープンする。
 新興地区の東側に比べて比較的古い街並みが続くのが西側。苫小牧駅から西の地区はJR函館線を挟んで、南は国道36号線沿いと三条通に商業施設が並び、北は双葉三条通に商業施設が並んでいる。JR線によって買い物客が分断されているのが西側地区の特徴とも言える。
 
 そんな中、JR線の北でこれまであまり商業集積のなかったしらかば南通に新たにオープンしたのが「ホクレンショップ・フードファーム・苫小牧しらかば店」と「サッポロドラッグストアー苫小牧しらかば店」だ。
 ホクレンショップを運営するホクレン商事は、6月21日に運営していたJAとこまこい広域の「食彩ガーデントマコマイ店」を閉店、満を持してしらかば店オープンに臨んだ。同店のキャッチフレーズは『苫小牧一の品揃え。品質・安さに挑戦』。店内はグレード感も高く野菜類は当然として水産、精肉、デリカのフェイシング(陳列手法)もしっかりしている。店舗は、北雄ラッキー山の手店やダイイチ恵み野店をやや小ぶりにしたようなイメージ。店内には、菓子のシャトレーゼも出店した。
 
 サツドラ苫小牧しらかば店は、食品スーパーとのコンビネーション出店のため通常よりも食品の品目を絞り、日用品、薬のコーナーを広くしている。また、東京に本部を置く整骨院ワイズケアのフランチャイズ整骨院のスペースも確保している。
 
 2店を合わせた年商は20億円前後と見られ、影響は周辺に及ぶ。一般的にライバル店の出店によって他社既存店の売上げは一時的に約20%程度減少すると言われる。数ヵ月で回復傾向に入り、落ち着いた段階で落ち込みが10%程度なら既存店にも巻き返しのチャンスが出てくる。新店と既存店の買い物客争奪の戦いは、まさにシーソーゲームで振幅を如何に抑えるかが店舗運営のポイントになる。
 
 苫小牧市内では、前述したマックスバリュ沼ノ端店が来週オープン、同じゾーンに7月下旬、DCMホーマック沼ノ端店も開店する。また8月には苫小牧中心部の三条通沿いの弥生町1丁目にDCMホーマックとマックスバリュ北海道、サツドラがショッピングセンターをオープンさせる。さらに10月には、ツルハ(本社・札幌市東区)が日吉町にドラッグストアを開店、苫小牧の流通業界は一気に攻守相乱れた生き残り戦に突入する。


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