食品卸全国3位の国分は丸紅と2015年6月を目途に包括提携することになったが、注目されるのが国分とダイエーの取引が継続されるかどうかということ。ダイエーは、来年1月1日付で株式交換によりイオンの完全子会社になる。イオンの主たる食品卸は全国4位の加藤産業。流通再編で食品卸は取引継続か取引廃止の岐路に立たされる。(写真は、国分の恵庭物流センター=北海道恵庭市)
食品スーパー(SM)の合従連衡のスピードが増している。高齢化社会で市場の伸びが限られる国内市場で戦うSMは、イオンとセブン&アイホールディングスの2強グループ入りか、アークスに代表されるCGCを中核にした地場連合、生協グループなど大きくは4つの方向に向かうものと見られる。
小売り再編は、食品卸への取引にも大きな影響を与える。ある食品卸の幹部は、「小売り再編によって取引がバッサリ切られることも出てくるだろう」と言う。コンビニエンスストアの業界では地域のベンダー(商品供給企業)の取引がゼロ・百(取引がゼロになるか百%になるか)といった例もあるというが、SMの業界でも小売り再編で食品卸がゼロ・百の危機に晒されている。
北海道では、昨年イトーヨーカ堂と資本業務提携した年商三百億円規模のダイイチ(帯広市)の食品卸が三菱食品から三井食品へ切り替わった。ヨーカ堂はセブンーイレブンとともに三井食品が食品卸のメイン。小売り再編が大手2強と絡んでくるとこうした食品卸の大移動は避けられない。
で、ダイエーである。ダイエーは歴史的に国分との取引が多い。一方、イオンは加藤産業がメイン卸。そんな中で、イオンは来年1月にダイエーを完全子会社化する。ダイエーの屋号は消え、イオンやマックスバリュに統一されることを見ても、国分から加藤産業へ卸の大移動が起こるのではと思われていた。そんな矢先に国分と丸紅が包括提携に踏み切った。丸紅は今でもダイエーの5%弱の株を保有する(2014年2月末)。丸紅とイオンは、ダイエー再建で協力どころか反目し合った仲。その結果のイオン完全子会社化であることから考えると、国分の取引継続には大きな壁があるようだ。国分と丸紅の提携は、イオンに切り替わるダイエーとの取引にどう影響するのかが注目される。
なお、イオンの筆頭株主は三菱商事である。