「コメリパワー苫小牧」12月オープンで見えてきたコメリの北海道戦略

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IMG_1558 ホームセンター全国大手のコメリ(本社・新潟市)の北海道戦略の姿が見えてきた。12月に苫小牧市に大型店「コメリパワー苫小牧店」をオープンさせ、来春に「砂川店」、来秋に「帯広店」を出店、併せて苫小牧東部地域で大型物流センターの建設にも着手する。2017年4月には同センターが稼働、5~6年後には道内で大型店、中型店、小型店など合計100店舗を展開する。(写真は、12月に開店するコメリパワー苫小牧店=2014年11月21日午後撮影)
 
 道内のホームセンター(HC)業界は、ホーマック(札幌市)の1強体制とも言える中でLIXILビバ(埼玉県さいたま市)、サンワドー(青森市)、アークス子会社によるフランチャイズ展開のカインズホーム、地場住宅資材卸のキムラが出資するジョイフルエーケーなどがひしめき合っている。
 
 コメリは、売上高3355億6700万円、経常利益196億2600万円(2014年3月期)で、ホーマックの持ち株会社であるDCMホールディングスに次ぐ規模でカインズホームと二番手争いをしている。大型店のコメリパワーのほか中型店やコンビニ業態のホームセンターなど全国46都道府県で約1100店を展開しているが、道内にはこれまで旭川市内と十勝管内音更町の中型2店舗しか出店していなかった。
 
 コメリでは2年前から北海道を重点出店地域として位置づけ、既に苫小牧市と砂川市で大型店の建設を進めている。12月には大型店の1号店として苫小牧店が店舗面積約9200㎡でオープン、来春には2号店の砂川店が同約9000㎡で開店する。さらに帯広市内でも同1万3000㎡の帯広清流店を来秋に開く。コメリの店舗は農業分野の資材等で競争力がある。
 
 こうした大型店展開を後方支援するため、苫小牧東部地域に約8万3000㎡の土地を取得、延床面積約4万1000㎡の物流センターも40億円を投じて建設する。物流センターの稼働は17年4月になる見込み。ロジスティクス体制を整備することで5~6年後には道内100店舗まで拡大する計画だ。
 
 ホーマックは、14年2月期で道内125店舗(小型店のホーマックニコット47店舗含む)を展開している。大型店のスーパーデポ店舗を母店にして中型店、小型店を衛星的に配置するゾーン出店を強化しているが、今後コメリとの全面対決が避けられない。道内HC業界1強の座を巡る攻防戦が激しくなりそうだ。
DSC_7087(写真は、建設が進むコメリパワー砂川店=2014年11月5日午前撮影)

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