マックスバリュ北海道(本社・札幌市)が24日、ディスカウント(DS)業態の「ザ・ビッグ岩見沢店」(岩見沢市2条東12丁目)をリニューアル、同じDS業態の「スーパーセンタートライアル岩見沢店」(同市東町676番地)との一騎打ちが始まった。2社のDSは、品質や品揃え、サービス面で進化しており、質の高いDS局地戦が激化していきそうだ。(写真は、24日にリニューアルオープンしたザ・ビッグ岩見沢店)
「ザ・ビッグ岩見沢店」は、2010年4月に「マックスバリュ」店舗から業態転換、食品DS店として市内の消費者を引き付けてきた。それから4年、DS1人勝ちだった同店に強力な競合店が出現。今年10月1日にオープンしたトライアルカンパニー(本社・福岡市)の「スーパーセンタートライアル岩見沢店」がそれだ。
トライアルはDSで一世を風靡したカウボーイの道内店舗を引き受けて08年に北海道に進出。居抜きでの大箱出店だったこともあって2年程前まではトライアルの評価はそれほど高くなかった。生鮮や惣菜の売場では他の食品スーパー(SM)と見劣りがして、道内SM業界でトライアル脅威論は影を潜めていた。
ところが、トライアルは今年から新規店舗による道内ドミノ出店を開始。これまでにオープンさせた苫小牧市や千歳市、登別市の店舗は、「今までのトライアルとは違う」(道内中堅SM役員)という評価が定着した。「生鮮や惣菜へのこだわりや見せ方などどれをとってもこれまでのトライアルのイメージを覆した」(同)
一方、マックスバリュ北海道が始めた「ザ・ビッグ」も5年目に入り、既に業態として確立、現在は17店舗を運営する。運営は軌道に乗りとりわけ消費増税以降は消費者の節約志向の追い風を受けて同社を牽引する機関車的な役割を果たしている。惣菜強化や冷凍食品の充実など、価格重視を維持しながら消費者の求める即食・簡便商品を品揃えするなど商品政策(MD)は第2ステージに入っている。
「ザ・ビッグ岩見沢店」では、これまで離れていた生活用品や日用雑貨のコーナーをフロア内に取り込み、買い回り性を高める改良も行った。
進化したDSの「ザ・ビッグ」と「スーパーセンタートライアル」が同じ商圏範囲で火花を散らすのは岩見沢が初めて。「ライバル店のプライスウォッチを欠かさず、日々の値合わせとともにカテゴリーによっては政策的に低価格を訴求する場面も出てくるだろう」(マックスバリュ北海道)。道内SM業界は、岩見沢DS戦争の中身に注目している。