ライトブレインがPOS情報のビッグデータ解析手法確立、 クラウド化してサービス開始

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P1070737 ライトブレイン(本社・札幌市)は、小売業のビッグデータであるPOS情報から併売品を簡単に見つけることができるシステムを開発した。A商品に付随してB商品やC商品が売れているという相関を瞬時に把握できるもので効率的なMD(マーチャンダイジング)が可能になり、機会損失を最小限に抑えることが可能。たま、効果的なチラシ構成で併売品を増やし店舗売上げのアップに繋げることもできる。(写真は、ライトブレインの芝哲也社長)
 
 
 
 食品スーパーなど小売業では人口減や競合店の増加で客数が伸び悩む傾向が強く、前年より売上げを増やすための方法として併売品を効率よく見つけることが不可欠。そのためには、POS情報が蓄積されたビッグデータの中から売れている商品の相関を解析し、併売品を見つけ出し“ついで買い”を誘発するようなMDが必要になってきている。
 
 ライトブレインは、POS情報を電力業界などの故障予測に使われているソフト、MT法(マハラノビス・タグチ法)で統計解析、売れた商品同士の相関関係を数値化することで併売品情報を簡単に見つけられるようにした。
相関の値はマイナス1からプラス1として、プラス1に近い数値になるほど同時に売れていることを示す。0は無関係でマイナス1に近い数値は相関が少ないというように可視化する。
 
 小売業の場合、1週間単位で販売計画を組むが、ある食品スーパーの場合、12月第1週では「商品D辛口カレー」と相関で1に近いのは「商品C中辛カレー」。新年の第1週では「商品D辛口カレー」と相関で1に近いのは「商品B甘口カレー」だった。これは正月のために家族や親族が集まり、その中に小さな子どももいるので甘口カレーも売れていると読み取ることができる。さらに甘口カレーと同時に売れている商材を見つけ出すことでMDの幅を広げ利益の最大化に繋げることが可能になる。
 
 また、セールをすることによって客数は増えるが、客数の増加と相関関係の高い商品が分かるとその商品を安い価格にしなくても良いという判断材料になる。
 
 小売業界では「KKD」(勘・経験・度胸)と言われており、勘は店舗の購買パターン経験によって培われていくとされる。同社のPOS情報解析システムは、勘を数値的に計算し可視化することで今まで経験でしか見えなかった店舗特性が見えてくるようになる。
 
 併売品が分かれば棚割りやチラシの構成などを変えて商品の販売機会損失を最小にすることができるほか季節要因による商品の売れ筋把握、客数と関係する商品などが分かり安易な値下げを回避することもできる。さらに広告宣伝費も変数として計算することによって費用対効果の検証に使うことも可能になるという。
 
 ライトブレインでは、このシステムのクラウド化を進め、月額使用料5~10万円でサービスを展開していく考えだ。

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