P1080273 神戸物産(本社・兵庫県加古郡稲美町)の低価格スーパー業態である「業務スーパー」をFC(フランチャイズ)展開しているG‐7スーパーマート(同・神戸市須磨区)が15日、札幌市西区に「八軒店」(八軒3条西3丁目)をオープンさせた。この日に合わせて札幌入りした同社の中藤務社長は、北海道リアルEconomyの取材に応じ、数年内に札幌圏で二桁の店舗を出店する考えを明らかにした。(写真は、中藤務社長=15日にオープンした八軒店の前で)
 
 
 G7‐スーパーマートは、昨年12月に「月寒店」(豊平区)、今年4月に「上野幌店」(厚別区)を退店したツルハ跡に居抜きでオープンさせており、「八軒店」は同社FC店の3店舗目。同店のオープンに合わせて札幌入りした中藤社長は、「札幌市は190万人を超える人口があり、当社の成長性は大きいと考えている。5万人商圏に1店舗、あるいは10万人商圏に1店舗と考えれば二桁の店舗は出せるだろう」と述べた。以下、中藤社長との一問一答。
 
 ――札幌市内は食品スーパーの激戦地だが、勝算はあるのか。
 
 中藤 業務スーパーは普通の食品スーパーとマーケティングやマーチャンダイジングが違う。同質の競争をしておらず売場づくりの考え方も一般的な食品スーパーとは違っており異質の競争の中で勝算はある。
 
 ――マーケティングの違いは何か。
 
 中藤 普通の食品スーパーは500m商圏で一世帯のすべての消費を取り込もうという品揃えをしているが、我々はそうではない。既存の食品スーパーの近くに出店する“コバンザメ商法”で、その食品スーパー顧客の10%が来店してくれれば十分やっていける。
 
 ――八軒店を出店した理由は?
 
 中藤 八軒店の周辺には食品スーパーが多く、一般顧客の10%は来店してもらえると考えたからだ。また、居酒屋や食堂、弁当店などの業者の数が多いのも出店を決めた理由だ。最近では、介護系の高齢者福祉施設などの需要も多く、これら業者向けの品揃えを充実すれば固いリピーターになっていただける。八軒店なら新琴似方面は十分射程の商圏に入る。
 
 ――業者向け販売の商圏は広く取れるメリットもある。
 
 中藤 そうだ。例えば三重県の150坪店舗では、20㎞離れたところから業者が仕入れに来てくれる。神戸物産のPB(プライベートブランド)はそれほど吸引力があるということだ。出店場所として興味があるのは札幌市中央区。業者の数が多く、出店すれば来店ニーズの7割近くが業者仕入れになるだろう。
 
 ――ドライ系商品だけでなく青果、精肉も充実しているようだが…。
 
 中藤 青果と精肉はテナントにお願いしている。精肉は横浜のテラバヤシが担当しており、各店舗のバックヤードでパック詰めをしている。水産はリスクもあるので敢えて置いていない。
 
 ――低価格スーパーだが利益率はどの程度なのか。
 
 中藤 なるべく居抜きで出店して固定費を抑えて運営している。当社の粗利は16%台で、販管費を13%に設定、売上高営業利益率は3%台を確保している。
 
 ――今後の出店戦略は。
 
 中藤 八軒店で札幌市内3店舗だが、いずれも150坪程度で当社としてはやや小ぶり。先行して出店した2店舗でこの広さのやり方が読めてきたので、今度は500~600坪の店舗を出す。札幌市の中央区や豊平区、白石区、清田区を想定しており固まっているのは今年中に2店舗を新たに出すことだ。また、札幌市以外にも出店を考えている。


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