渡島、檜山管内の農協がひとつに大統合する方向で検討が進んでいる。両管内には現在4農協があるが、最大規模のJA新はこだてが、受け皿になって3農協と合体する方向。道内の農協数は現在110だが将来的な目標数を37に置いている。37農協構想では渡島、檜山管内では4農協が想定されていたが、それを上回る1農協体制が現出することで道内の他地域でも農協合併が一気に進んでいきそうだ。
 
 農協合併は、単位農協の財務面での強化、販売力の強化などを目指したもので、道内の農協数を将来的に37にする合併構想が95年の農協大会で決議されている。TPPやFTAなど国内農業を取り巻く環境は大きく変化しており、とりわけ日本の食料基地として農畜産物の主生産地である北海道農業は競争力強化が不可欠。
 
 農家戸数の減少や組合員の高齢化などによって現状の農協数では組合員の負担が大きく、組合員への営農指導などサービス低下も避けられない。農協合併は、農業の競争力アップに結びつくため農協系統組織の自助努力として進めていく方向が決まっている。
 
 道内農協の大型合併は、2年前の根室地域のJA道東あさひ誕生以来停滞しているが、今回、渡島・檜山管内農協の大統合が明らかになったことで農協合併が加速していくものと期待される。
 
 具体的には、JA新はこだて(北斗市)が存続して、JA函館市亀田(函館市)、JA今金町(今金町)、JAきたひやま(せたな町)を合体する方向とみられる。JA新はこだては、2002年2月に渡島半島の1市18町の13JAが合併して誕生した広域農協で、昨年度の農産物販売高は182億円、酪農畜産物販売高は91億円。
 
 この広域合併の際に合併しなかったJA函館市亀田と再度交渉を進めていくことになるが、「一度合併交渉で決裂した農協と再び交渉するのは、かなりハードルが高いが、新はこだての畠山良一組合長のリーダーシップが期待されているということだろう」と合併経験のある他地域の農協幹部は話す。
 
 95年の農協大会で決議された37合併構想では、渡島・檜山管内は4農協になると想定されていた。今回の大統合で1農協が実現すれば、十勝など合併が進んでいない地域に影響を与えそうだ。


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