北海道とトヨタ自動車(本社・愛知県豊田市)は22日、北海道農業の競争力強化を図り持続的成長を支援する連携協力協定を締結した。トヨタが農業分野で都道府県単位の協定を結ぶのは北海道が初めて。IMG_2065(写真は、連携協定調印後に握手するトヨタ自動車の秦直道・新事業企画部長=左と土屋俊亮・農政部長)

 トヨタ自動車は、自動車の製造分野で培った生産管理手法のノウハウを活かして農業のIT管理ツール「豊作計画」を開発、2012年から有限会社鍋八農産(愛知県弥富市)で実証を開始。鍋八農産の作業管理は大幅に向上し、2016年1月に開催された第45回日本農業賞では農林水産大臣賞(大賞)を、同年10月の農林水産祭では天皇杯を受賞している。

 道との連携協定は、①経営感覚に優れた担い手の育成・確保など人材育成②生産活動の効率化・高度化③北海道農業に適合した経営改善システムの実証活動――など。
 現在、道では士別市と連携して市内の3農業法人と「豊作計画」の導入実証を支援しており、トヨタとの連携でこの実証事業の成果を広く全道に波及させる。また、大規模な稲作、畑作、酪農など多様な営農形態でのモデル法人を策定、それぞれ実証試験を開始することにしている。
 
 トヨタ自動車の秦直道・新事業企画部長は、「14年から3年間の実証を行い生産性向上、人材育成に役立つことが分かった。北海道の農業は都府県と広さが違うので我々にも学ぶべき点は多い。道との連携協定によって農業基盤の強化に向けて支援し、北海道に貢献したい」と話した。
 
 土屋俊亮農政部長は、「世界をリードするトヨタの全面協力は喜ばしい。道内の農業法人は3000を超えて都道府県では全国最多。農業法人の生産活動高度化、効率化が課題になっておりトヨタとの協定締結で経営強化、人材育成を期待したい」と語った。 


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