道は、道産加工食品の原料・原産地や製造地の自主表示に向けた取り組みを強化している。北海道は日本最大の食料生産基地で、良質な道産農林水産物を使い、高い加工技術で多くの加工食品が製造されている。道産原料であることや製造地を表示することで、消費者が北海道産を容易に選択できるようにするのがその狙いだ。


 加工食品の原料原産地や製造地の表示は、消費者にとっては大切な情報。
 現在、JAS法によって原料原産地の表示が義務付けられている加工食品は20食品群と4品目。
JAS法が定める対象原材料は、原材料に占める重量割合が最も多くその割合が50%以上の生鮮食品20食品群と個別の品質表示基準に定められている4品目。
 20食品群は、農産加工食品では乾燥きのこ類、乾燥野菜及び乾燥果実、異種混合したカット野菜などでそのほか畜産加工食品、水産加工食品など。4品目はうなぎ加工品やかつお削りぶし、農産物漬物、野菜冷凍食品。
 道の取り組みは、道産原材料を使用し、その特色を生かした加工食品を製造する道内の事業者が、JAS法の対象品目を超えて原料原産地、製造地の自主的な表示に取り組みやすくするもので、消費者に分かりやすく情報を提供。
 そのことによって、北海道での地産地消や販路の拡大、付加価値の向上に結びつくことを促そうというもの。
原材料に占める重量割合が最も多く、北海道産の農林水産物(生鮮食品)を使用している場合に、JAS法に基づく一括表示の欄外を基本に、分かりやすく北海道産、北海道○○市町村産など一般に知られている道内の地名などの記載することを提案している。
 例えば鮭フレークの場合、JAS法では原料原産地の表示は必要ないが、道産品であることをJAS法に基づく名称や内容量、保存方法、製造者などの一括表示の欄外に、『サケは北海道沖日本海産を使用しています』などと表示できる。
 また、道内で製造された加工食品の場合は、製造所固有記号とともに、道内で製造されたことが分かるように製造地に関する情報を記載することもできる。
 ポテトコロッケを例にすると、JAS法・食品衛生法に基づく表示では販売者である製造者とともに製造工場が固有の記号で表示されているが、欄外に『馬鈴薯は北海道産を使用しています。本品は北海道内の工場で製造しています』などと表すことができる。
 北海道の名前が付けば、食品群の競争力が高まると言われるほど、北海道ブランドは安全・安心の信頼性が高い。
 道は、こうした北海道ブランドの力を原料原産地、製造地の表示によって、さらに高めていけば道内産業の付加価値向上、競争力アップにつながるとみて、自主的な取り組みを促している。
 道は、消費者と食品加工業者の信頼の絆をさらに強めていきたい考えだ。


この記事は参考になりましたか?