鈴木宗男参議の想いが爆発した「日高自動車道(厚賀IC~新冠IC)開通式」

交通・運輸

 日高自動車道の「日高厚賀IC(インターチェンジ)」と「新冠IC」の9・1㎞が2026年2月28日15時、開通した。それに先立って、開通を祝う記念式典が、同日10時から新冠郡新冠町の「レ・コード館・町民ホール」で行われた。約1時間の式典には、主催者の北海道開発局関係者や地元選出の衆参国会議員、道議会議員、地元町長など約200人が出席し、約30人が壇上でテープカットとくす玉割を行い、開通を祝った。(写真は、日高自動車道「厚賀IC~新冠IC間」開通式典)
(写真は、席に戻ってから開発局関係者と話す鈴木宗男参議=左)

 最初に主催者代表として金子恭之国土交通大臣(65)が登壇、「日本一の馬産地である日高地域の競走馬や高品質なイチゴなどを、より安全に効率的に輸送できるほか、地域産業の活性化、観光振興にも大きく貢献できる。また、日高自動車道の整備で、津波浸水想定区域を回避するルートが確保され、災害時の緊急輸送ルートが強化される」と開通の意義を強調した。その上で、「日高自動車道が一日も早く全線開通するには、官民挙げての地域の熱意が必要。会場の皆さん方の熱意を持ち帰って、一日も早い全線開通に向けて努力したい」と述べた。

 続いて、司会者に促されて登壇した鈴木宗男参議(78)は、司会者に「開発局が前もって決めていた通りの順番でやって下さい。私は、後で結構ですから」と壇上から降りた。予想外の行動に司会者は、戸惑いながらも「それでは、橋本聖子参議、お願いします」と言うと、鈴木氏はすかさず「松下(英樹氏、2026年2月初当選の9区衆議)じゃないのか」と声を上げた。さらに「金子大臣が来ることになって、開発局は挨拶の順番を変えた。私と長谷川岳(参議)を一緒にされたら、たまったものじゃない。(挨拶の順番を当初の)予定通りやれよ」と、開発局長らに向かって名指しで指摘した。

 その間5分間の話し合いが続いたが、結局、鈴木氏は登壇。「開発局は、挨拶の順番をあらかじめ決めていた。その通りにやれと言っているだけ。何かしら私が注文付けたか?長谷川岳と一緒に扱われたら困る。君らが決めた通りなぜやらないんだ」と怒りが収まらない様子だった。

 その後、気を取り直して鈴木氏は、日高自動車道の歴史を紹介。「昭和62年の4全総が、この道路スタートで平成7年4月から建設が始まった。松下さんが、最初に挨拶しても、(建設の)経緯が分からない。役所(開発局)は、国民の意向というものをもっと聞いたらいいのではないか。地元国会議員に、開通式典の案内が来たのは2週間前。それなのに開発局は、昨年のうちに新冠町長に対して、この式典場所を抑えさせた。『いつ式典やるかわからないが、場所を抑えておけ』と。今日まで3ヵ月、町はイベントができなかった。そういうやり方があるかと言っている。地元の町長たちは、みんな迷惑している。開発局は、町長たちの意向を分かっているのか。まったく上から目線で、どう考えても常識を外れている。国会議員が『俺たちの言うことを聞け』とやったか。腹立たしく思っている」と早口で語った。

 続けて「私が言いたいのは積み重ねが、あるということ。日高道は平成7年からスタートしたが、小泉政権、民主党政権で大変な時期もあった。そういう歴史を知らないで、(開発局が)いい加減な判断をすることに憤りを感じている。局長と部長は、役人として矜持を持ってやるかどうか、大臣に忠誠を誓わない限りだめだ。北海道は、未整備の高規格道路が一番残っているのだから。会場にいる国会議員の方々も、歴史をしっかり踏まえてやっていただきたい。今日の開通式を機に、さらにまた浦河に向けて頑張らないといけない」と呼び掛けた。最後に、会場の参加者たちに向かい、「今日から新たなスタートという想いで、日高道の完成に向けお互いに頑張っていきたい」と結んだ。その後に続いた橋本聖子参議や舟橋利実参議、岩本剛人参議、松下英樹衆議、山岡達丸衆議、浮島智子衆議は、挨拶の中で、鈴木氏が強調した積み重ねの大切さに言及、鈴木氏の行動に理解を示す挨拶を行っていた。

 挨拶の最後には、新冠町の山本政嗣町長が登壇、「苫小牧東IC~沼ノ端ICが開通したのは平成9年。新冠町の『レ・コード館』と『道の駅』も平成9年に誕生した。それから四半世紀を超えて、2つがようやく繋がった。今回の新冠ICの開通で、町は日高路中央の玄関口として重要な役割が求められる。新冠まで延伸したが、1日も早い開通を待ち望んでいる地域、人々がまだまだいる。生活と命を守る道路として、一日でも早く全区間供用されるように、日高管内全町一丸となって取り組んでいく」と決意を語った。

 その後、国会議員や地元町長など関係者約30人が壇上に揃い、テープカットとくす玉割を行い、開通を祝った。式典後の11時過ぎから新冠IC本線上で、関係車両約60台が厚賀ICに向けて通り初めを行った。

 開通式典で繰り広げられた予想外の出来事に、参加者も主催者も戸惑いを隠せなかった様子だが、鈴木氏の言動からは、挨拶の順番など些末なことに声を荒げたことではないことが会場内には伝わった。些末なことに表象された底流にある開発局の民意を離れた仕事ぶりにこそ、鈴木氏はメスを入れたかったようだ。「自分は半端じゃない」と壇上で言い切った鈴木氏、臆せず正論を貫く姿は健在のようだ。
(写真は、新冠IC本線上で行われた通り初め)

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