札幌交通圏(札幌市、北広島市、江別市、石狩市)でタクシー事業を行っていたエルメス観光(札幌市西区)は車両20台をSKグループの中核企業、三和交通(札幌市北区)に譲渡した。札幌交通圏でのタクシー車両の譲渡譲受は今年に入って葵交通(北広島市)に次いで2件目となる。(写真は札幌市北区の三和交通本社)
エルメス観光は、タクシー事業が自由化された2002年以降に新規参入した新興組。札幌陸運支局の事業許可は08年6月。大型車3台、普通車17台の合計20台が許可車両。
札幌交通圏は、規制緩和によるタクシー事業参入の自由化で車両台数が大幅に増え、1台当たりの収入が減少。車両台数が増やせない特定地域に指定されている。
札幌ハイヤー協会に加盟しているタクシー事業者は、自主的に車両を減らす減車に取り組み、エルメス観光も3台減車して20台の体制で営業してきた。しかし、一向に採算が好転しないことから廃業を決め車両の譲渡先を探していた。
5月中旬からエルメス観光は、車両の譲渡譲受先を探していたが当初の譲渡先はタクシー乗務員の移籍については難色を示していたため、三和交通に打診。札幌陸運支局の譲渡譲受許可がでたのは9月中旬だった。
三和交通は1962年にタクシー事業免許を取得した老舗で、SKグループの中核企業。車両台数は大型車3台、普通車232台の合計235台。清田営業所に8台、12台は本社に配置した。
SKグループは3月に葵交通の車両60台のうち50台の譲渡を受けている。同グループは札幌交通圏で700台を超える車両を持つ札幌交通圏3大グループの一翼。