JR北海道札沼線の石狩太美駅とあいの里公園駅の間に、在来線としては20年ぶりの新駅「ロイズタウン駅」(石狩郡当別町当別太1229-9)が、3月12日(土)に開業する。ロイズコンフェクト(本社・札幌市北区)と当別町が駅設置をJR北海道に要望した「請願駅」で、12日に駅舎の利用が始まり、2022年10月に駅前広場が完成し全面供用開始となる。※動画はこちらの画像↓をクリックしてご覧ください。
(写真は、3月10日に「ロイズタウン駅」で行われた開業セレモニー、左から後藤正洋・当別町長、山崎泰博・ロイズコンフェクト社長、島田修・JR北海道社長)
3月10日には、「西当別コミュニティセンター」(太美町22-7)で「ロイズタウン駅完成記念式典」が行われ、関係者約30人が出席した。式典では、最初に当別町の後藤正洋町長が登壇。「新駅開業による交流人口と定住人口の増加に期待するとともに開業をきっかけとして町の魅力を全道、全国に発信していきたい」と挨拶。続いて、ロイズコンフェクトの山崎泰博社長は、「15年ほど前に当時の泉亭俊彦町長や町の有志らと米国ペンシルベニア州のチョコレート会社ハーシーを見学したが、約130年前に原野を切り開いてハーシータウンを形成していったことに感銘を受けた。それに刺激を受け、当社のふと美工場を核にロイズタウンをつくりたいと思うようになった。新駅開業によってハーシータウンに模したまちづくりを町やJR北海道と一緒に進めたい」と話し、今秋には工場見学ができるミュージアムを開設することを示した。
JR北海道の島田修社長は、「人口減少が進む中、定住人口と交流人口の増加のモデルケースとして、当別町に新たな人流を生み出し地域交流が活性化していくことを期待している」と述べた。その後、ロイズタウン駅に移動し後藤町長、山崎社長、島田社長によるテープカットが行われた。
(写真は、ロイズタウン駅のホーム)
(写真は、自動ドアに施されている「ロイズピュアチョコレート」を模したマーク)
「ロイズタウン駅」は、6両編成の車輛に対応した135mのホームと待合室、スロープのある無人駅で、自動改札機2基と券売機1基を設置。自動ドアには「ロイズピュアチョコレート」のマークが施されているほか、ホーム壁に設置された窓からは「ふと美工場」が一望できる。内装には同町の町木である道産の白樺を使用、外装は今回増設した「ふと美工場」と同じ外壁材料を使用した。屋根は逆三角形状の傾斜をつけ、雪を中央のくぼみに集まるように配慮している。利用客は、当面同工場従業員約500人を見込み、秋の工場ミュージアム開設による観光客の利用も期待している。
駅舎建設費9億3000万円をロイズコンフェクトが負担、JR北海道が維持管理を行い、町が駅前広場を整備する。駅前広場は、難弱地盤補強のため40mの深さまでコンクリートパイルを打ち込んでおり、10月にはロータリー、駐車場、バス停留所、歩道が供用開始になる。
(写真は、ホームの窓から一望できる「ロイズふと美工場」)