JR北海道(本社・札幌市中央区)は、室蘭線の長万部駅~東室蘭駅の約77㎞について線路の集中的な修繕工事を実施する。この区間の中には、振動による衝撃が大きい区間があり、とりわけ重量がある貨物輸送では荷崩れが発生しかねないような衝撃があることも指摘されていた。(写真は、豊浦付近を走る特急「北斗」)
室蘭線の長万部駅から東室蘭駅までの区間は、札幌~函館間の幹線のため列車本数が多く、日中時間帯は列車を運休させて工事を行うことが難しい。このため、夜間帯に利用の少ない列車を運休させて必要な工事を集中的、効率的に行うことにした。
期間は2021年11月3日(水)から7日(日)までの午後8時30分から午前0時30分までの毎日約4時間。運休となる列車は、普通列車の東室蘭駅午後9時50分発、長万部駅午後11時9分着と伊達紋別駅午後9時56分発、東室蘭駅午後10時23分着の2本。この列車についてはバスによる代行輸送を行う。
修繕工事の内容は、劣化した道床バラスト(線路の敷石)の交換作業。実は、この区間は貨物列車が運ぶ貨物への振動が大きいところとされている。振動には横方向と上下方向があるが、いずれも3G(1Gは通常のエレベータで感じる重力加速度の約5倍)程度なら許容範囲とされている。しかし、この区間ではそれを超える極端な重力加速度が発生しているという。
この区間で振動が大きく発生することは以前から知られていた。JR北海道は、夜間帯に集中的に修繕工事を行うことで輸送環境を改善する。