JR北海道(本社・札幌市中央区)の子会社18社の2020年度決算は、4億4200万円の純損失になった。コロナ禍が大きく影響して、JR北海道にとって頼みの子会社群も赤字に陥った。(写真は、札幌駅総合開発が運営しているJRタワー)

 JR北海道グループの収益は、鉄道事業の赤字を国の資金などと経営安定基金の運用益、さらに子会社の利益で埋める構造になっている。財政支援等を除けば、鉄道事業の効率化で赤字幅を縮小するとともに、自力で稼げる子会社の利益をいかに増やすかが求められる。子会社数には若干の増減があるが、過去を遡ると、子会社合計で17年度は67億7000万円、18年度は63億9500万円、19年度は65億3800万円と安定的に60億円台の純利益を計上していた。
 
 しかし、20年度は一転、4億4200万円の純損失の計上を余儀なくされた。コロナ禍の影響で運輸業、小売業、不動産賃貸業、ホテル業などすべての子会社で減収減益を計上。純損失のいわゆる赤字会社は6社になった。とりわけ、儲け頭で、毎年度20億円を超える純利益を計上していた札幌駅総合開発(本社・札幌市中央区)は、1億2700万円の純損失に陥った。子会社群の中で最大の10億900万円の純損失を計上したのは、北海道キヨスク(同・同)、次いで9億8700万円のJR北海道ホテルズ(同・同)となっている。
 
 JR北海道によると、21年度の子会社群の純損失は、1億円程度と予想、20年度に比べて5億円ほどの改善を見込んでいるが、赤字脱却には至らない。10月には北海道キヨスクと「JR生鮮市場」の北海道ジェイ・アール・フレッシュネス・リテール(本社・札幌市東区)が合併するなど利益体質構築に向けた動きも活発化する。


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