日高本線の鵡川—様似間116㎞が31日廃止された。2015年1月の高波被害によって線路の土砂流出や橋梁の損壊で運行を休止していたが、以来、一度も鉄路を列車が走ることなく廃線になった。※動画はこちらの画像↓をクリックしてご覧ください

(写真は、標高810・6mのアポイ岳を望む「様似駅」)

 日高本線の終着駅である「様似駅」では、この日、多くのファンや廃線を惜しむ地元の人たちが駆け付けた。駅舎の切符売り場では、記念乗車券や記念入場券を求める人が列をつくり、大阪から来たという男性は乗車券や入場券を大量に購入、「友人から頼まれた分を含め数万円分買いました」と話した。壁には地元の子どもたちが書いた「鵡川」から「様似」まで25駅の色紙や在りし日の日高本線の情景が写真展示されていた。

 様似駅まで開通したのは1937年。以来、84年間の歴史を刻んできたが最後の6年間は、列車代行バスの発着点としてその役割を果たしてきた。列車代行バス運転手の休憩場所にもなっていたという駅前民宿の壁には、『ジェイ・アール北海道バスの列車代行バス乗務員さん 6年間ありがとうございました』の垂れ幕が掲げられていた。

「浦河駅」でも記念の乗車券を買い求める人たちで行列ができ、JR社員が整理をする場面も見られた。海岸のすぐ近くにある「大狩部駅」にも記念写真を撮りに来たファンが集まった。この駅のすぐ西側は、高波被害を受けた無残な線路がそのままの状態で残っており、時が止まったような景色が広がっている。この日も波が堤防にぶつかり高い波しぶきを上げていた。

 コロナ禍が追い打ちをかけるように北海道ではセレモニーなき廃線が相次いでいる。昨年4月17日には通常列車が最終列車となった札沼線の新十津川駅と北海道医療大学前駅の廃止があった。そして、今回は6年間の運行休止の果ての廃止。地元の人たちはどんな思いで廃線を受け止めたのか。列車代行バスも31日で終了し、4月1日から日高近隣広域公共バスの運行が始まる。
(写真は、高波被害を受けた線路が残る「大狩部駅」付近)



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