HACの手元資金は400万円で事実上破綻、日の丸半導体エルピーダメモリの北海道版

交通・運輸

 北海道エアシステム(HAC)の経営が事実上破綻していることが29日明らかになった。同社の3月末の手元資金は400万円になる見込みで4月以降は資金繰り付かず、通常の企業なら民事再生法の申請か若しくは自己破産申請の選択を迫られる段階に入っている。HACは道に対して支援要請を正式に行ったが、道からの貸付金に対する返済猶予が実現しても経営改善には結びつかず、HACは存亡の危機に直面している。(写真は、HAC機)
 
 HACが29日、道に示した資金繰り見通しでは、3月末の手元キャシュは400万円で事実上経営が存続できない事態に陥ることが明らかになった。
 
 4月には600万円の赤字で5月赤字100万円、6月赤字3200万円、7月赤字2000万円で4月以降は経営が成り立たない状態になるという。
 
 HACは道からの貸付金に対する返済金の支払い猶予を求めたが、そうした付け焼刃的なスポット対応では赤字体質からは脱却できない。
 
 HAC経営の抜本的な改革は避けられず、3月1日から代表質問が始まる第一定例道議会でHAC問題は最大の争点になる見通し。
 
 道議会自民党道民会議では、HAC存続が是か非かについて議論するためにも再度のデューデリジェンス(資産の査定)を第三者の会計事務所に行わせるべきという意見が出ており、一定の会期中にデューデリ結果を提出させ、道が支援をするかどうかを判断することを検討している。
 
 デューデリの結果次第では、HACを離島航路だけに縮小するなど大幅な見直しは不可欠な情勢になっている。
 
 日の丸半導体会社として公的資金をつぎ込んだ末に会社更生法を申請したエルピーダメモリと酷似する状況が北海道でも起きようとしている。

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