自民党道連と自民党道議会議員会合同の特別機関であるHAC(北海道エアシステム)監視委員会(会長・丸岩公充道議)は13日、HAC本社と丘珠空港を視察した。同監視委員会が、丘珠を訪問するのは初めてで、参加した道議11人は西村公利HAC社長らと意見交換をしたり格納庫を見学。厳しさが続くHAC経営の現場を体感した。視察後、丸岩会長は「現状では正常な企業として存続は難しいことが分かった。第一定例道議会に向けて大至急我々の意見をまとめたい」と語った。(写真は、展望デッキから丘珠空港を視察するHAC監視委員会のメンバー=左。右は格納庫を視察する一行)
監視委員会の一行は、午後1時30分に丘珠空港にバスで到着。3階展望デッキから空港を視察した後、2階出発ロビーや市が運営する札幌の歴史や丘珠空港の変遷をパネル展示している公共空間を見学。
その後、HAC西村社長らと約1時間、意見交換を行った。最後に格納庫に入って部品・資材庫などを点検、午後3時過ぎに一連の視察を終えて丘珠を後にした。
視察後、丸岩会長は「意見交換の時間があまりなかったが、厳しい経営状態であることがわかった。今のままであれば正常な企業としての存続は難しい。第一定例道議会に向けて大至急意見を取りまとめたい」と語り、自民党道議会会派として道庁等に対して何らかのアクションを起こすことを示唆した。
また、西村社長は「率直に話が出来て良かった」と感想を述べた。
HACは、搭乗率の低迷や欠航で今3月期に5億円の経常赤字に陥ることが分かっている。
HAC問題に詳しい道議によると、「HACは昨年4月の新体制移行によって自治体、企業による増資で手元のキャッシュが約7億円あった。しかし、赤字や新体制に伴う丘珠一拠点化やシステム投資、さらに手持ち部品在庫の増加などによって今3月期にはキャッシュは1億円強しか残らない。HACの1年間の運転資金には1・5億~2億円が必要で、このままでは来期中に資金ショートを引き起こす」と指摘する。
金融機関からの借り入れが不可能な現状では、道の新たな財政支援は不可欠な情勢になっている。筆頭株主としての道やHAC経営陣の責任問題も浮上してくると見られる。