HAC欠航相次ぎ搭乗率低迷、道筆頭株主の新体制初年度目標未達確実で赤字決算の懸念も

交通・運輸

 道が筆頭株主になって昨年4月に新体制でスタートした北海道エアシステム(HAC)の搭乗率が50%を切る状況が続いている。新体制スタート時には今年度に搭乗率55・3%、搭乗人員16万7000人を目標にしていたが、それを下回るのは確実な状況だ。丘珠空港への一拠点化で機材故障による欠航をANAウイングスへ振り替えることもできなくなったため利用者が敬遠していることも背景にありそうだ。(写真は、搭乗率低迷が続くHAC便)
  
 11日の道議会新幹線・総合交通体系特別委員会で、鳥越良孝道議(北見市、大地、当選1回)がHACについて発言。その中で、欠航が9月50便、10月93便、11月10便、12月38便にのぼることを指摘し、「とりわけ10月の欠航93便というのは毎日欠航しているようなもの。地域の足としての役割を失っているのではないか」と質問。
 
 これに対して道建設部の高橋邦明空港港湾局長は、9月から12月までの4ヵ月間の平均搭乗率が50%を下回ったことを明らかにしたうえで、「機材故障による欠航は改善しつつある」との認識を示した。
 
 また、鳥越道議は丘珠―女満別間が片道9500円(通常2万200円、12~1月の期間限定)のオホーツクセブンや週末セブンなどの割引料金を徹底して利用促進を図るべきとした。
 
 高橋局長は、「札幌地下街でのパンフ配布によるPRや道職員の利用促進を図っていく」と答えた。
 
 新HACスタート時の今年度目標搭乗率と搭乗人員は55・3%、16万7000人だが、4~12月の9ヵ月間の実績は搭乗率51・3%、搭乗人員11万2000人で、このまま行けば目標未達成になるのは確実。採算面でも赤字決算を余儀なくされそう。

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