規制緩和による中国、ロシアなど旧共産圏の新千歳空港乗り入れが緩和されたことや、来年4月から1時間の発着枠が32枠から42枠に増えることで新千歳空港利用客の増加が見込まれている。しかし、新千歳と札幌間を結ぶJR北海道の快速エアポート増便が現状では間に合わない情勢。増便は待ったなしの状況になっている。(写真は、JR札幌駅に到着した快速エアポート)
新千歳空港の旧共産圏の乗り入れ制限は、これまで、月・木曜が終日乗り入れ不可で火・水曜は12時から16時まで乗り入れ可、金曜は17時以降が乗り入れ可、土・日曜は終日乗り入れ可となっていた。
しかし、緩和によって月・木曜の12時~17時、火・水曜の12~17時、金曜の12時~24時、土・日曜は従来通り終日可能。この乗り入れ制限緩和は今年10月下旬から実施された。
また、発着枠拡大は当初18年夏ダイヤ(18年3月下旬~10月下旬)からの導入を1年前倒し、17年3月下旬の夏ダイヤから導入される。新千歳空港の管制業務は、隣接する航空自衛隊千歳飛行場が担当している。民間航空機と自衛隊機が交互に離発着するようになっていたため、これまでは午前7時から午後10時までは1時間当たり民間機の発着が32回に制限されていた。今回、民間機と自衛隊機が同時進入できるように管制業務を変更することによって、民間機の発着を42回できるようにする。
さらに、2020年の東京オリンピック・パラリンピックまで新千歳空港など道内7空港の一括民営化が実現するのは確実。これらの一連の動きによってインバウンドや国内観光客の増加が加速するのは必至。
新千歳空港に到着した旅行客らの2次交通の充実は不可欠だが、ネックになるのがJR北海道の新千歳―札幌間を結ぶ快速エアポート。現行は1時間4便だが早期の増便が求められている。しかし、現状のままでは増便が難しい。
理由は、JR貨物の札幌白石ターミナル駅を出た貨物が千歳線に入る箇所が平面交差になっているから。DF200が牽引する貨物列車が白石ターミナル駅を出て千歳線に入るためには、千歳線の札幌方面の線路を跨いでから千歳方面に入らなければならない。これがネックになって増備ができないという訳。
立体交差化するには、70~90億円の工事費がかかるという。いずれにしても立体交差化ができなければ、新千歳空港の民営化の最大のボトルネックになるだろう。