札幌交通圏のタクシー会社、東邦交通(本社・札幌市西区)は、増加する外国人観光客の利用を促すためWiFiルーターを搭載したジャンボハイヤーの運行を始めた。WiFi環境を整備することで外国人観光客の利便性を高める。(写真は、東邦交通本社)
北海道を訪れる外国人観光客は、2014年10~12月で前年同期間比40・2%増の33万2200人(道調べ)で同時期としては過去最高を記録した。台湾の12万4300人を筆頭に2位は中国の6万700人、3位韓国の3万9300人と続く。
外国人観光客はリピーターも増えており、団体旅行から個人、グループ旅行に観光スタイルの変化が予測され、これまでの観光バスからタクシー、ハイヤーの利用が進むと見られている。
東邦交通では、こうした変化を先取りするため、外国人のグループ旅行に対応できるよう10人乗りジャンボハイヤーに6月からモバイル型のWiFiルーターを搭載した。持ち運びできるためWiFi環境が整備されていない観光地でも外国人がスマートフォンなどで撮影した写真などをその場でインターネット交流サイト(SNS)を使って情報発信しやすくなる。今のところ1台のみの試験導入だが、利用状況を見ながら搭載車両を増やしていく。
今井一彦社長は、「タクシーやハイヤーでもWiFiが使えるようにすることが外国人観光客のリピート需要にも繋がる。併せてスマホの翻訳アプリの導入を図り、ホスピタリティを高めたい」と語っている。