北海学園大学2部学生を札幌中央信組正職員に採用、「ワクスタWORK×STUDY」プロジェクト2027年4月始動

金融

 札幌中央信用組合(本店・札幌市中央区)と北海学園大学(同市豊平区)は2025年12月12日、包括連携協定を締結、第1弾として、北海学園大2部学生を札幌中央信組の正職員に採用する「ワクスタWORK×STUDY」プロジェクトを、2027年度入学生からスタートさせる。割安な職員用マンションも利用できるようにして、学業と仕事を両立できる体制を整える。初年度6人の採用を予定、以降毎年5~6人の採用を予定する。(写真は、北海学園大学と札幌中央信用組合の包括連携協定締結式)

 北海学園大は、文系4学部と工学部の5学部を擁し、夜間の2部は文系4学部があり、現在は約2200人が在籍している。この学生数は、東洋大学2部の約2800人に次いで多いほか、東京以北唯一の2部でもある。文部科学省の調査によると、大学進学率の全国平均は59・1%なのに対して、北海道は52・8%。その理由には、学費負担や生活費不安があるという。北海学園大2部は、年間授業料が1部の半額に当たる約55万円で、国立大学よりも低い。このため、北海学園大2部を進学先に選ぶ学生も多い。

 20年ほど前までは2部に通いながら、日中は公務員や民間企業に勤める学生が多かったが、最近は大半がアルバイトで学費を稼いでいる。札幌中央信組は、歴代理事長に同大2部出身者が2人いたほか、現在の役員にも2部出身者がおり、同大2部への理解がある。おりしも、同信組山鼻支店(中央区南16条西8丁目2-12)の建て替えが浮上、職員用マンション(1LDK)を上層階に併設した支店として地域貢献を進めることになり、今回の「ワクスタWORK×STUDY」プロジェクトに繋がった。

 同大学2部の総合型・学校推薦型選抜の合格者(12月発表)を対象に、同信組が正職員を募集、面接をして信組職員にふさわしい学生を採用する。勤務時間は、通常より1時間短い16時15分までの時短勤務とし、17時50分から始まる授業に間に合うようにする。通常の正職員同様に窓口業務や渉外業務を行う。職員用マンションは、周辺家賃相場よりも安くする。山鼻支店は、空中店舗として1階には物販店などを誘致するが、隣接地に「ラルズマート16条店」があるため、競合しない業種を選ぶ。職員用マンション戸数は23戸用意する。卒業後は、同信組での継続勤務のほか、他の勤務先も選択できるようにする。給与待遇、職員用マンションの賃料などは、2026年6月の総代会までに決定して公表する。

 この日、北海学園国際会議場で行われた締結式で、北海学園大の森下宏美学長は、「正職員として働くことは、学業と相まって自らを成長させる良い機会になると思う。地域社会、地域経済を担っていく担い手を育てていく新しい試みで、本学が脈々と続けてきた働きながら学ぶことに、新しい形を与えるのではないかと期待している」と語った。
 札幌中央信組の泉融和理事長は、「大学で学ぶことに加えて、金融の現場で地域社会と直に接する機会を設け、将来への希望と地域への愛着心を持つ次代の地域経済に資する人材を育成したい。そのことによって地域に貢献したい」と話した。

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