北海道信用金庫協会・原田直彦新会長インタビュー、「20金庫の相乗効果を発揮して信用金庫の存在感高める」

金融

 九州や東北の信用金庫協会とは、友好的な交流をこれまで進めてきました。北信協は、この間、九州北部信用金庫協会(事務局・福岡市博多区)に視察に行ってきました。協会としての存在感や地域課題に対する取り組み方が、とても参考になりました。九州北部の協会は、私が今、話したような活動に取り組んでいます。構成する13金庫のまとまりがすごく良くて、相乗効果を発揮しています。北海道の信用金庫は、仲が悪いわけではないですが、九州北部の協会で感じたような、相乗効果のエネルギーをまだ発揮できていないのではないかと感じました。

 ーー改めてお聞きしますが、北信協の役割は何ですか。

 原田 各金庫が、独自に進める施策について、その地域にとって良いことなら、その金庫が頑張れるように支援、協力するのが、協会の役割だと認識しています。全国信用金庫協会に繋ぐこともあるでしょう。各金庫が、個性的なことができるような土壌をつくることも、協会の役割だと思う。そうした支援の力を結集することで、北海道の信用金庫全体の力を底上げできれば良いと思います。

 九州北部信用金庫協会は、ビジネスマッチングフェアも開催しています。ビジネスマッチングは、北海道でも各金庫が、さまざまな金庫と組んで開催しています。城南信用金庫(本店・東京都品川区)は、全国の信用金庫を集めたビジネスマッチングフェアも行っています。北信協では、17~18年くらい前に、2回ほど開催していますが、以降は開催していません。現在ほど、こうした催しが活発ではない時に、ある意味で先駆的にフェアを開催しましたが、それ以降、実施していません。

 九州北部信用金庫協会では、ビジネスマッチングの他に、特許などの知財活用についても協会がプラットフォームをつくって、率先して進めています。協会が情報を集めて、それを金庫と職員にも発信し、お客さまも活用できる仕組みはとても素晴らしいと思います。

 信金中央金庫は、全国の信金を対象に、ビジネスマッチングやDX(デジタルトランスフォーメーション)などについて、各金庫の取り組みを支援しています。あまり当協会が言わなくても、信金中金にそうした活動を委ねることも可能ではあります。ただ、全国の信金業界全体のことは、それでも良いでしょうが、北海道の20金庫同士の情報を絡めたうえでの、ビジネスマッチングなどを通した相乗効果を高める取り組みは、信金中金ではできません。

 それは、私たちができることだし、やらなければならないことでもあります。さまざまな情報を道内20金庫に繋げていけば、全国の254金庫は、本当の意味で繋がることができます。かつて、建前のように「信金は全国に情報が繋がる」と言っていましたが、今は、本当の意味で全国と繋がる取り組みに進化しつつあります。北海道も大きな波の一つとして、もっと活発に協会活動を行っていきたい。各地の信用金庫協会の活動を参考にすれば、できると思います。私は、少なくともビジネスマッチングは実施したいと考えています。各金庫は、そのノウハウを持っていますから、それらを20金庫で結集すれば、とてもインパクトがあると思います。

 また、さまざまな分野で、北洋銀行、北海道銀行、信用組合とタイアップしていきたい。これまでも、一緒に進めてきたこともありますが、さらに踏み込んで連携を強めていきたい。北信協は、行動する協会として、掛け算の相乗効果を発揮していこうと思います。

 道内の信用金庫には、職員が何百人もいる金庫から百人未満の金庫まで、さまざまです。その中で、事務処理などは共同化、共通化されている面もあります。北海道ではHSIS(北海道信金情報サービス)があって、そこを中心に共同化、共通化が進んでいます。

1 2 3 4

関連記事

SUPPORTER

SUPPORTER