北洋銀行は、道、北海道貿易物産振興会との連携事業として「商品ブラッシュアップ個別相談会」をロイトン札幌で開催した。昨年から始まったこの取り組みは、マーケティングの専門家や百貨店のバイヤー、オーナーシェフなどがアドバイザーとして食品加工メーカーなどに「売れる商品づくり」の助言を行うもので今回は10社が参加。アドバイザーの一人、流通問題研究協会三浦功相談役は、「北海道の素材を生かして商品を創る意欲は強い。ただ、どうすれば競合商品と差別化できるかという視点が弱い」と指摘していた。(写真は、12日に開催された商品ブラッシュアップ個別相談会と真剣な眼差しで参加企業とミーティングをする三浦功氏)

 北洋銀は、地域産業支援部がリード役になって食に関連する製造業の育成に力を注いでいる。「ものづくり」が全国平均に比べて劣っている北海道に農畜産・水産といった競争力のある素材をベースに付加価値化が図れる食品加工業を育成していき、北海道の自立を側面支援して行こうというもの。

 地域密着のリレーションシップバンキングとして新たなコンサルティング事業とも言えるもので、「なぜ売れないのか」の原因分析や「こうすれば売れる商品になる」という踏み込んだアドバイスを行うなど、商品ブラッシュアップ相談会は待ちの姿勢から攻めの姿勢に銀行業を転換する象徴的な事業になっている。

 スタートした昨年度は2回開催。今年度に入って帯広開催に次いで今回が2回目。水産魚介類や農畜産物の加工品、スイーツ関連など10社が参加して実施された。

 アドバイザーとして参加企業に指南した一般社団法人流通問題研究会の三浦功相談役は、「素材を生かして商品を開発しようというモチベーションはかなり高いが、品質的、価格的に競合商品との差別化をどう進めるかについての視点が弱いように感じる。相談会に参加された企業はこうした弱みの克服に一歩踏み出したわけで今後に期待できる」と言う。

 北洋銀では、「商品ブラッシュアップ個別相談会」を今年度中に後2~3回、地方都市で開催していく方針。


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