北洋銀行は7日、「ものづくりテクノフェア」を札幌コンベンションセンターで開催した。北海道の“ものづくり産業”を支援する目的で始まったこのフェアは年々出展数が増加、6回目となる今回は道内外から172の企業や団体が出展するなど最大規模になった。個別商談数も400件を超え、ものづくりを産官学金で支えるオール北海道のプラットホームとして定着してきた。(写真左は、挨拶する石井純二頭取、右は視察する増山壽一北海道経済産業局長(右端)ら)
フェアの開催に先立って開会式が行われ、石井純二頭取が挨拶。石井頭取は、「このフェアには3つの大きな特長がある。ひとつは商談会機能。今回、予約制を取ったところ400件の申し込みがあった。二つ目は産学官金のオール北海道による連携強化。8大学4工専のほか、信用金庫から毎回出展している帯広信金に続いて今回初めて旭川信金も出展。三つ目は本州との連携強化。ものづくり産業の盛んな静岡から5社、東北から2社、名古屋商工会議所からも視察に来ている。本州との結びつきをこの機会に進めて欲しい」と語った。
また、来賓として出席した増山壽一北海道経済産業局長は、「北海道の人は奥手。フェアが奥手の魂を打ち破る出会いの場になって欲しい。素晴らしい技術があっても出会いの場がなければ世界に広がらない。道経産局は、道内企業の持っている技術の尖がりをさらに尖らせて横展開することを重点項目にしている。北海道のものづくりが確固たる地位を占めるようにしたい。北海道から6次産業にとどまらない12次産業を作って欲しい」と出展各社や参加者に訴えた。
会場には、北海道経済連合会の近藤龍夫会長(北海道電力相談役)も顔を見せ、シンセメック(石狩市)のカボチャ乱切り装置を熱心に視察するなどとりわけ食関連の最新技術・機械に関心を示していた。
食関連では北洋銀行のベンチャー支援ファンドから第1号の出資を受けたエフ・イー(旭川市)の大根やニンジン、長いもの洗浄機、ジャガイモのでんぷん価をスピーディーに測定できる装置を開発した旭川計量機(旭川市)などが注目を集めた。
また、節電に繋がる技術として、システムデザイン(札幌市)の電力が見える化した「ベムスチェッカー」、空調機器管理(札幌市)の太陽軌道追尾式発電システム「道産子 陽(ひ)まわり」、エコモット(札幌市)の衛星通信や太陽光発電による広域警報システムなども展示された。
会場となった札幌コンベンションセンター大ホールは、今回で出展コマ数が満杯状態になったため、来年以降については新たに会場を増やすことも検討している。