北海道銀行(本店・札幌市中央区)と北海道大学公共政策大学院、道銀地域総合研究所の主催で「北海道創生 未来につなげるシンポジウム」が20日、札幌市中央区のホテル札幌ガーデンパレスで開催された。3年前から始まった地方創生人材支援制度により各自治体に派遣された財務省や外務省などの職員が取り組み事例などを報告するシンポジウムで、昨年に続き2回目。人材派遣を受け入れた市町村を含め15自治体と国、道などのほか民間企業、大学生など約200人が出席した。IMG_3426(写真は、地方創生人材派遣制度で派遣されたキャリア官僚6人による活動報告会)

 国が音頭を取って全国の自治体が地方創生総合戦略を策定してから今年で4年目。計画は実行段階に入っているが、3年前から始まったのが中央官庁の職員を地域の自治体に派遣する地方創生人材支援制度。中央官庁職員を2年間の期間限定で受け入れたい自治体が声を上げ、2年間の人件費などを払うことや首長などとの個別面接で派遣が決まる。道内179市町村のうちこの制度を利用しているのはこれまでに16の自治体。

 今回、活動報告をしたのは、財務省から派遣されている名寄市企画担当参事監・松岡将氏、外務省から派遣されている天塩町副町長・齋藤啓介輔氏、国土交通省から派遣されている室蘭市港湾部長事務取扱副市長・東平伸氏、新経済連盟から派遣されている厚沢部町地方創生アドバイザー・蒔田純氏、国土交通省から派遣されている倶知安町副町長・髙野眞司氏、内閣府から派遣されている東神楽町副町長・木村俊孝氏の6人。

 名寄市の松岡参事監は、「市内のもち米農家が最北の地でワインを作りたいということでワイン特区を3月に取得した。頑張っている民間の取り組みを行政が後押しすることが大切だ。地方創生は行政以外も問題意識を共有して、都市圏の人に地方の価値を示すことが必要」と述べた。

 天塩町の斉藤副町長は、「若い役場職員が新しい観点に触れるのが重要。多様なものが受け入れられるように若い人たちの考えを変えていくことが鍵。オープンイノベーションの地域づくりの核になるのは金融機関。外部の力を使ってまち自身が活性化をすべきだ」と話した。

 室蘭市の東平副市長は、「1994年には室蘭発のフェリーは5航路あった。2009年までに全便が廃止されたが、6月22日から10年ぶりのフェリーとして宮古航路が復活する。丁度10時間の航路でドライバーが休める時間になり働き方改革などが重なって実現した」と紹介。さらに「クルーズ船の寄港が増えているが、白鳥大橋の桁下の高さによって街に近い埠頭に入れない。現在は、市街地から離れた崎守埠頭に停泊している。何とか街に近いところに停泊できるようにしたい」と語った。

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