北海道財務局は12日、札幌市北区の札幌第一合同庁舎2階講堂で『平成29年度金融仲介の質の向上に向けたシンポジウム』を開催した。テーマは、『地域企業の価値向上・地域活性化のためのアドバイスとファイナンス~北海道における事業承継の課題と地域金融機関に求められる役割~』で、金融機関などから約130人が出席した。(写真は、基調講演をする守和彦・北海道中小企業家同友会代表幹事)
最初に、北海道中小企業家同友会代表幹事の守和彦・ダテハキ会長が『中小企業からみる金融環境の変化について』をテーマに基調講演。守氏は、北海道の中小企業数とそこで働く従業員数は全国平均よりも高いことを示し、「北海道は中小企業を守らないと地域を守れない」と訴えた。また、北海道の中小企業の休廃業数は全国平均の倍である現状を紹介、「これから1社減るごとに周辺企業や取引先などに大きな影響を及ぼすことになる。金融機関は新しい企業の育成とともに限られた中小企業をしっかり育成していくことが大事だ」と強調した。
寄り添った金融への期待について、「経営者の一番の心配は今月の資金繰りがどうなるかということ。カネの心配がなくなれば経営者は2倍も3倍も働く。金融機関は当座貸越の枠を作って、資金の心配が少ない環境を作って欲しい」と話し、「こうした経営者の声を金融機関はもっと聞く努力をして欲しい。会う回数×時間が信頼関係を構築する基礎になる」と訴えていた。