札幌北洋ホールディングスが株主総会、「信用コスト」「北洋大通センター」株主から2つの質問

金融

 札幌北洋ホールディングスの第10期定時株主総会が23日、午前10時から札幌市中央区のホテル札幌ガーデンパレスで行われた。
出席株主は346人(前年度383人)、所要時間54分(同58分)だった。株主からは「信用コスト」と「北洋大通センター」について2つの質問があった。(写真は、会場となったホテル札幌ガーデンパレスとモニターで公開された株主総会の模様)
 
 アナウンサーのナレーションが付いたスクリーン画像で、減収減益となった事業報告などが流された後、議長役の横内龍三社長が対処すべき5つの課題として①お客様との密接な関係構築②効率化の徹底③人材の活性化④グループ総合力の発揮⑤内部管理態勢の強化とCSRへの取り組み――を掲げた。
 
 株主からの質問は2項目。1つ目は信用コストについて。「今期の業績予想の中で信用コストが23億円と過去の実績からみて低いのではないか」というものだった。

 信用コストとは、破綻会社の与信を償却するものと融資先の経営状態を見て将来に備えて積んでおく引き当てのコストのこと。
 
 横内議長は、「信用コストの引き当て額は、過去3年間の(実際の引き当て)発生状況を率にして計算して決めるものだが、過去3年の中にリーマンショックがあって倒産が増え、引き当てが上昇するなど統計の異常値が含まれている。今年度はリーマンショック直後の高い率から見ると引当率がぐっと低くなった。これまでが異常値、高い率だった。これまで引き当てていた分が取り崩せるので、今期に限り計算方法で低くなる。1年限りで来年度以降は(例年と)あまり違わないペースになる」と答えた。
 
 2つ目の質問は、昨年9月にオープンした北洋大通センターについて、「大きな建物だし費用が掛かっているのではないか」というもの。
 
 横内議長は、「建物は北洋と交洋不動産の区分所有で土地は北洋の所有。工費は北洋の部分だけで138億円。北洋には現在、公的資金が入り、内部留保を積むのが課題なので、掛かった費用は経営の中で咀嚼していかなければならない」
 
「北洋大通センターの建設は、リーマンショックの2年前から計画され、契約も終わった段階でリーマンショックが起きた。プロジェクトの中止はできない状況だったが、銀行所有部分は見直して費用の節減に努めた。使えるものは以前の本店から運び、新しい家具の調達はせず費用が掛からないようにした」と答えた。
 
 また、「オープン後、派手なことをしているという批判を心配したが、大方の受け止めは市街地の再開発計画の一環として、駅前通地下通路や創成川の公園整備などとともに民間サイドの目玉、市街地再開発の呼び水になって欲しいというものだった。今後も華美にならないように経費節減に努める」と説明していた。
 
 配当については公的資金の返済に向けて自己資本の質と量の改善を進めるため、2007年から始めた業績連動配当施策によらず、期末1・5円(年間3円)にすることを決めた。
 また、一昨年、昨年と同様に役員賞与は支給しないことも報告された。

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