札幌市内に店舗を展開している北央信用組合(本店・札幌市中央区)、札幌中央信用組合(同・同)、空知商工信用組合(同・美唄市)の3信組は25日、包括連携協定を締結した。道内の信組が個別の分野以外で包括的な協定を結ぶのは初めて。3信組は提携第1弾として地域創生に繋がる創業者支援イベント「地域クラウド交流会」の札幌開催を共同で手掛けるなど、まず創業支援で手を組む。※映像はこちら↓の画像をクリックしてご覧ください

IMG_6446(写真は、3信組による包括連携協定締結後に手を合わせる関係者。左から林伸幸・北央信組理事長、浅山廣司・札幌中央信組理事長、谷山哲也・空知商工信組理事長、内藤純一・全信組連理事長。札幌市中央区のポールスター札幌で)

 信組は中小零細企業や個人商店などを主な取引先として地域経済の下支え役を担っている。人口減少や後継者難による廃業など信組の主な取引先の先行きが厳しい中で、単一の信組だけでは展望が開けなくなっている。

 こうした中、全国信用協同組合連合会(全信組連)の内藤純一理事長の提案を受け、札幌市内で店舗展開している3信組が包括連携協定を結ぶことにした。
 具体的には、3信組共通の預金・融資商品の開発(利率の統一)や協調融資、ビジネスマッチングなど販路拡大、創業支援など各種イベントの共催、職員の相互派遣や共同勉強会など。3信組で連携推進協議会を立ち上げて検討していく。

 最初に取り組むのは地方創生の一環として全国で始まっている創業者支援イベント「地域クラウド交流会」の共同開催。既に1回目は5月24日に札幌市内で300人近くが参加して実施されたが、その際は北央信組と札幌中央信組のほか北洋銀行、北海道銀行、札幌信用金庫、大地みらい信用金庫が共催した。

 2回目は10月6日に開かれることが決まっており、3信組は全面的にバックアップする。また、起業家を対象にした勉強会『1Day Startup Dojo in Sapporo』を11月に共同開催する。これは日本政策金融公庫と連携した取り組みで起業家向けコンサルタント会社、ゼロワンブースターから講師を招きセミナー、ワークショップを行うもの。

 今回の協定締結について、北央信組の林理事長は、「それぞれの地域に密着した3信組が起業家同士の連携から資金調達に至るまで一貫してサポートしていくことで地域経済活性化の取り組みを強化したい」と話した。札幌中央信組の浅山理事長は、「連携によってこれまでの点から面で繋がることができるようになるため、ビジネスマッチングや販路拡大の取り組みが強化できる」とした。
 空知商工信組の谷山理事長は、「共通の営業基盤を持つ3信組がより緊密な連携を図ることで具体的な成果を上げていきたい」と語った。
 オブザーバーとして参加した全信組連の内藤理事長は、「信組は規模が小さいため単一では効果を十分に上げることができない。全国の信組で連携支援をしており、今回の3信組の包括連携が地域の活性化につながるよう引き続き支援していきたい」と話した。
IMG_6419(写真は、記者会見する関係者)


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