コープさっぽろ(本部・札幌市西区)は10日、札幌市中央区の札幌市教育文化会館で第51回通常総代会を開催、2015年度で353億円ある繰越欠損金を今後7年間で解消、2022年度には5億円の剰余金を出す再生ロードマップを承認した。また、利益レベルの高い大阪いずみ市民生協の藤井克裕理事長を非常勤理事に招聘することも決めた。(総代会では繰越欠損解消のスケジュールも示された=写真)
総代会には、道内各地区の総代350人が出席、2015年度事業報告や決算報告、16年度事業方針などが報告され7つの議案はすべて賛成多数で承認された。
15年度の経常剰余は58億円と14年度の35億円を大きく上回り、創立50周年を過去最高益で飾ることができた。不採算子会社3社の特別清算に伴う欠損金を本体のコープさっぽろに取り込んだため繰越欠損金は165億円増えて353億円に膨らんだが、総代会では7年間の欠損金解消スケジュールを提示した。
7年間の数値目標は次の通り
年度 供給高 経常剰余 当期剰余 繰越欠損金
■2016年度 2759億円 59億円 36億円 ▲317億円
■2017年度 2820億円 68億円 45億円 ▲272億円
■2018年度 2882億円 72億円 48億円 ▲224億円
■2019年度 2945億円 77億円 51億円 ▲173億円
■2020年度 3004億円 81億円 55億円 ▲118億円
■2021年度 3064億円 85億円 58億円 ▲60億円
■2022年度 3125億円 96億円 65億円 5億円
供給高経常剰余率は、15年度の2・1%から22年度には3%に引き上げる。店舗事業は既存店成長を1%と控えめに見込み、新店とスクラップ&ビルドは年度内1~2店で進め、全店ベースは2%から2・3%と堅実成長を見込む。4年後の19年度に店舗事業で2024億円にして赤字から脱却、念願の黒字化を達成する。
宅配事業は、現在の32万人世帯の利用を40万人世帯まで拡大、2%成長で年20億円の成長を見込む。共済事業やその他は1%の低成長にとどまると予想する。
毎期ごとに出る当期剰余金をほぼすべて繰越欠損の解消に使う。子会社の赤字企業は、15年度でミネラルウォーター製造の大雪水資源保全センターのみだが1~2年でほぼ黒字化できる見込み。
大見英明理事長は、「堅実な数値目標を設定し7年で経営健全化を達成できる形を作っていく」と総代の前で宣言した。また、全国生協の中でトップレベルの利益率を出している大阪いずみ市民生協の藤井理事長を非常勤の有識者理事として招き「都市部での店舗運営などでアドバイスをしてもらう」(大見理事長)ことも示した。
店舗事業では、特別競争対策店の取り組みを行っているが、引き続き6店舗で対策を継続するとともに新たに中央店(釧路市)、東むらろん店(室蘭市)を加える。