道内の10信用金庫が取引先企業の技術や商品を紹介するため、9月2、3日に東京ビッグサイトで行われた「第24回東京ビジネスサミット2010」に合同で出展した。道内信用金庫が合同で東京の商談会に出店するのは今回が初の試み。来場者との商談件数も多く、今後成約数などを検証して来年以降も継続的に出展するかどうかを決める。


道内信用金庫の業界団体である社団法人北海道信用金庫協会は、平成17年に札幌で信金の取引先企業を集めた独自のビジネスマッチング商談会を開催している。「しんきん いいものフェア」と名付けたこの商談会はその後数回継続したが中断。今回、「いいものフェア」を発展させる形で初めて東京でのビジネスマッチングに参加した。
出展したのは「札幌」「北門」「北空知」「渡島」「北海」「旭川」「稚内」「帯広」「大地みらい」「遠軽」の10金庫で、出展企業は北空知の「板倉会館」や北海の「イリマス食品」、大地みらいの「キタウロコ荒木商店」、帯広の「ヒューエンス」など20社。
ビジネスサミットの開催期間は、ちょうど北洋銀行が池袋でインフォメーションバザールを開催していた時期と重なったが、帯広信金はそちらにも取引先企業ともに出展、熱心さを際立たせていた。
道信金協会の田端正博専務理事は、「東京では訪れるバイヤーの人数が札幌とはケタ違いだった。今後、成果の検証は必要だが、将来的には道内23金庫が参加できるようにしたい」と手ごたえを感じた様子だった。
また、出展企業の間からも「来年もぜひ参加したい」という声が多かったという。
道内信金は融資が伸び悩み、預金に占める融資の割合を示す預貸率が初めて50%を割り込むなど、預金と貸し出しの利息の差で儲けるモデルが揺らぎかねない状況になっている。
今回のようなビジネスマッチング商談会は、取引先企業の事業拡大に繋がるため、各信金にとって融資額を伸ばす絶好の機会。資金需要の少ない道内の経済環境の中で、企業に後押しをする地道な取り組みが信金には不可欠になっている。

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