北洋銀行(本店・札幌市中央区)と札幌市は31日、空き家の解体や有効活用を促進するための連携協定を結んだ。空き家対策が全国的な課題になる中で、金融機関と自治体が連携して取り組む協定は、道内初。北洋銀では地方創生の一環として空き家対策を重要施策に挙げる自治体が多いことから、地元信用金庫を含めて空き家対策に支援協力していく。IMG_7850(写真は、空き家対策で連携協定を締結した北洋銀関川峰希常務=左と札幌市の京谷篤都市局長)

 31日、札幌市中央区の北洋大通センター4階セミナーホールで、北洋銀の関川峰希常務と札幌市の京谷篤都市局長が協定書に調印した。協定は、空き家所有者の解体(除却)を支援したり、空き家の活用について所有者からの相談に北洋銀と市が相互に連携していくもの。
 
 具体的には市が始めた『危険空き家等除却制度』補助(上限150万円)の申請者全員に北洋銀が7月から始めた『空き家解体ローン』の最下限金利(年2・7%)を適用(通常は5・2%)、また北洋銀に空き家の有効活用に相談があった場合、相談者の了承を得て市の補助金等を紹介する。
 
 札幌市によると、2013年度の統計で市内の放置空き家の中で破損や老朽化した危険空き屋の一戸建ては推計で2910戸。実際に市の職員が現地で確認した危険空き家は117戸。
 
 京谷都市局長は、「市は所有者に除却を推進するために危険性のある空き家に対して除却費用の一部を補助する制度を始めたが、空き家を有効活用する対策を講じる必要もある。地方公共団体が進める空き家対策を地方創生の一環としてサポートすることを打ち出した北洋銀との協定締結は心強い」と語った。
 
 また、北洋銀の関川常務は、「道内の多くの自治体から空き家問題が大きな課題という話を聞いている。各自治体との連携が不可欠だが、今回、札幌市と第一弾として連携協定を締結することになった。空き家になる前の一戸建て住宅をリフォームして賃貸に利用してもらうなど所有者のニーズを聞き取りながら空き家活用も進めたい。また、本州や道内各地から札幌市に住みたいという移住希望者に住居を紹介するようなネットワークづくりの一翼も担っていく」と話した。
 
 北洋銀では、他の道内自治体と同様の協定を結び、地域の信用金庫、信用組合とも協調して地方でより深刻な空き家対策に注力する。


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