北洋農業応援ファンド 谷口農場(旭川市)に1000万円出資

金融

 北洋銀行(本店・札幌市中央区)と北海道二十一世紀総合研究所(同・同)は「北洋農業応援ファンド」を通して、谷口農場(谷口威裕社長、所在地・旭川市東旭川町共栄)に1000万円の出資を決定した。谷口農場(写真は、谷口農場で生産されたトマト=同農場のホームページより)

 同ファンドは2014年10月、農業生産者の多様なニーズに応える支援の強化などを目的として、この2社と日本政策金融公庫が共同で創設。出資の要件として「高品質な農産物生産に加え、加工品開発・直売店の運営などにも積極的に取り組んでいる」「道内外への販路拡大に前向きに取り組み、道産農産物・加工品のさらなる魅力向上に寄与している」ことをあげた。  
 
 谷口農場は有機栽培のコメやトマト、トウモロコシなど多彩な野菜を栽培するほか、ジュースやゼリー、味噌、スープなどの加工品も生産。地元旭川の市民の間では直営店「まっかなトマト」の農場として知られる。
  
 谷口社長(66)は今回の出資について「大変、ありがたい。今後、自社生産のコメや野菜を使った新商品の開発と加工、販売に力を入れ、6次産業化をさらに進めていく。加工品は品質を最重要視したクオリティメリットを追求する。これは当農場の基本姿勢」と語る。
  
 独自製法の新商品が次々とラインナップされており7月には同社と道内で生産する16種類の野菜と果実を使った「Vege mix(べジ・ミックス)」を、10月には「農場の飲むお米」、11月には「農場の飲むサラダ」を全国発売していく。
「ベジ・ミックス」は現在販売している野菜を搾ったままのストレートジュース「Vegeシリーズ」の赤・黄・緑の三種類を混ぜ合わせた健康ジュース。今年度は10万缶、次年度から12万缶を生産する。
「飲むお米」は同農場が生産・加工した発芽玄米と野菜を使ったポタージュ風のつぶつぶ感のあるスープ。「飲むサラダ」は東川町に在住する東欧料理研究家の横山アディナさんのレシピを再現した商品だ。
 
 谷口社長は2001年に将来の農場像を10ヵ年計画にまとめ、現在、この計画を見直した2020年までの第2次10ヵ年計画を進めている最中。今後について、「加工品の生産ラインの改修と増設を行い、冬期間の稼働率も上げ、年間を通した恒常的な生産につなげたい」と一層の農業の多角化を目指すとしている。

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